2011年のイギリスの作品。
ケイティ・クレミンソンは、本作が3作目で、イギリス本国の他、フランス、イタリア、ドイツなど欧州でも人気を集める注目の絵本作家とありましたが、頷ける作品だと思いました。
主人公のくまのオットーのおうちは、絵本の中。
誰も見ていない時に、絵本から出て家の中を探検したり、本を読んだり、日記を書いたりするのが大好きという設定です。
この手の作品は幾つかありますが、家の持ち主が引っ越してしまい、オットーが外の世界に飛び出すというのが、目新しいストーリー展開です。
絵本の中から飛び出したのですから、その存在は本当に小さいもの。
街が住みにくいというのは、まさにそうなのでしょう。
最後に辿り着いた大きな家が、何と図書館。
そこには、沢山の本と仲間がいたというのが結末ですが、本は読まれてこそ価値があるということを諭してくれます。
絵本から主人公が飛び出すという夢のあるストーリーは、とてもワクワクするものですが、冒険にしては平坦すぎる気がします。
もっと、大胆な冒険談が加わると、ストーリーが活きたと思います。
その分を差引いて、4ッ星の評価になりました。