理科で周期表を学習したばかりの娘が先に読んで、「ニワトリの餌にヒ素が入ってるんだって」と教えてくれました。毒物なのになぜ?と思いつつ33ヒ素のページを確認したところ、強い毒性の無い有機ヒ素化合物(微量)はニワトリの健康に必要、とありました。
そんな興味深い豆知識が、各元素ごとに美しい写真とともに紹介されています。著者のセオドア・グレイ氏は元素コレクターだそうですが、例えば26鉄のページには錆びた寛永通宝が載っていました。調べてみると、寛永通宝は銅など他の金属からも作られていたことがわかりました。
著者はすべての元素を代表する品物2300点を、たった7年で集めたそうです。45ロジウムのページには、指輪の写真とともに「ロジウムめっきで安いアクセサリーがプラチナのように輝く」とありました。もしかしたら、私の手元にもあるかもしれません。
88ラジウム、90トリウム、92ウランなどの放射性物質が、その危険性がわからないで利用されていた時代のエピソードは、恐ろしいものでした。何事も科学的に考察していく姿勢は、必要だと思いました。