ふと見上げると、今日の空はどんよりと曇っている。
雨が降るのか?晴れるのか?
空を見上げる時って、天気の心配をする時ぐらいだ。
しかし、この絵本を読むと、もっと空のことを知りたくなるのは、
私だけだろうか。
「空」と一言で言っても、そこには、雲があり、風があり、光があり・・・
時として同じ顔を持たない。
雨の音、風の音、かみなりの音、決して紙の絵本からは聞こえない音を、
荒井良二さんは、みごとに表現してくれている。
だから、絵を見ているだけで、どんどん耳に音が流れてくる。
一枚一枚はただの景色の絵だが、ページをめくるたびに景色が変わり、
時間の経過と共に目の前に広がる絵からは、
自然の生命力を感じずにはいられない。
その場の空気感さえも感じられる素晴らしい世界がここにある。
芸術作品のような素敵な絵本をありがとう。
個人的に好きなところは、
星たちが物語をはなしだすページでは、
よ〜く見ると、夜空にはたくさんの生き物やさくらんぼや花などが描かれていて、
遊び心を感じました。
そして、輝く月にうさぎが飛び込むページでは、
童話チックで可愛いと思いました。