私が初めて能舞台で見たのが『靭猿』。
これはそのお話を絵本にしたものです。
このお話にはお殿様が出てくるのですが、横暴で、自分の権力を笠に着て、恣にしようとします。
けれど対峙する猿回しは、小さい時から大切に育てた猿に愛情を感じ、涙を流します。
その対比が、人々の心をつかむのではないかと感じます。
ただ、・・・もしかしたら、棒を振り上げたらこのように芸をするように仕込んだから、そこをうまく使ってこの場を逃げ切れないか・・・と猿回しが考えていたかもしれない。
狂言なので、そんな風にも読めるかなと思いました。
どちらにしろ、最後は大団円。
お殿様も含めて、楽しくひと時を過ごすことが出来たのだから、良かったなぁと思いました。