上の子が小学校の高学年くらいの時に初めてこのシリーズを読みました。縁あって、この夏読み返し、物語の面白さを再認識しました。
この物語の舞台のマチでは、市役所の“地域共生課”が住む場所をなくした妖怪たちに住む場所を提供する代わりに、マチの治安や運営に妖怪たちの力を借りていました。
なんて面白い発想の共存生活!って、思いました。
九十九さん一家は、アダチノハラダンチB棟地下12階に住んでいます。
「一家」といっても、妖怪の仲間同士であって、本当の血はつながっていません。
お父さんはヌラリヒョン、お母さんはろくろっ首、おじいちゃんはみこし入道、おばあちゃんはやまんば、長男は一つ目小僧のハジメ君、次男はアマノジャクのアマ君、末娘はサトリ妖怪のさっちゃんということにして、新生活を始める九十九さん一家!
慣れない人間社会での生活を始めたためにおこる小さな事件も、人間たちが巻き起こす大きな事件も、テンポよく進んでいくので、とても読みやすいです。
このアダチノハラ団地には、九十九さん一家のほかにもたくさんの妖怪たちが住んでいて、カッパやカラス天狗、オクリオオカミ達なども登場します。
シリーズの第1巻である本書は150ページありますが、イラストも多く、気が付くと読み終わっているといった感じです。
ぜひたくさんのお子さんたちに手にしてもらいたいシリーズです。
妖怪など、不思議な生き物が好きな人、昔話に興味がある人なども楽しく読むことが出来ると思います。
市役所の担当者野中さんと、団地の管理人的場さんもいい味を出してくれているので、読んだときはその活躍ぶりをチェックしてくださいね。