ルラルさんは、本を読んでいる。
ルラルさんの読んでいる本は、地面の裂け目をどんどん降りていって、地底の世界にたどりつく。
地底には大きな海があって、大昔の生き物が住んでいるというお話。
ところが、みんながそれぞれそんな穴を知っていると口にする。今から行ってみようということになる。
ルラルさんにしてみれば、本読みの途中で水をさされ、なんだか不満。
でもね、いろんな穴の探検が楽しくなっていくんですね。
ルラルさんのシリーズは、感動物でもなんでもない、淡々としたお話なのだけれど、この淡々としたところがいい。
何回読んでも、飽きない。
うちの息子は、このルラルさんが大好き。
第1作の『ルラルさんのにわ』から、ずっとルラルさんが好きなんです。
ちょっと几帳面な感じの、ごくごく普通のおじさんのルラルさん。そして、それとは対象的なたくさんの動物たち。そんな動物達に、最初は、なんとなく迷惑だなぁとか、なんとなくやっかいだなぁと思いながら、接しているルラルさんが、最後には、いつの間にか、動物達と一緒になって、はしゃいでいる。
そんな感じが、とてもいいんだと思うんですね。