シリーズ第一弾の「あらしのよるに」を読んだ時の、衝撃から早三年近くなります。その後の作品も素晴らしく、こんなにすごい絵本があるのかと思ったものです。
しかし、前作では、あまりにも悲しい結末に、子供達に何と声を掛けていいのかわかりませんでした。これ程人気の高い子供も向け絵本シリーズなのに、こんな悲劇的な夢のない終わり方でいいのだろうか、と疑問にも感じました。
ファンからの期待に応えたかたちのの、今作品は、子供達の夢を壊さない最後で、結果的には、よかったと思います。
しかし、途中の回想シーンの描き方が、少し子供にはわかりずらいのではないでしょうか。個人的には、絵と文のバランスがシリーズの中で最も悪く、読み聞かせの観点からいうと、読みにくいところがありました。
それにつけても、ただのハッピーエンドというわけにはいかないところが、さすが木村裕一さんですね。