人間は、死ぬまでにいった何度眠りにつくでしょう。泣きながらいつのまにか眠ることもあるでしょうし、眠るつもりじゃなかったのに、疲れすぎてばったりと眠ってしまうこともあるでしょう。修学旅行のときのように、いつまでもくすくす笑ってしまってなかなか寝付けないくらい、楽しい気持ちで眠ることもあるでしょう。
でも、この絵本のチビウサギのように眠りにつけたら、きっとそれは人生のなかでもいちばんといえるくらいに幸せなことだなと思うのです。おおきな腕のなかでいつも守られているという無意識の安心感、好きだよと迷いなく伝えられるまっすぐな安心感が、チビウサギの行動や言葉から思いっきり伝わってきます。
わくわくしたり笑ったりするようなお話ではないですが、寝る前に読み聞かせてあげるのにぴったりの絵本だと思います。そして、この本を読み聞かせようと思うお母さんも、その子供たちも、人生でいちばんしあわせな夜をすごしていることを実感できる本だと思います。