表紙は、神妙な顔で座っているかがみもちの絵。
そして、表紙をめくってみれば、「おもちだって、いろいろなやみがあるんです」の一文。
人目で気に入った絵本です。
おもちは、ずいぶんひどい目にあっているんです。
おもちつきでは、頭をぺったんぺったんとたたかれ、のしぼうで延ばされ、ちぎって丸められ、その上、きな粉やあんこをつけられ、最後には食べられてしまうんです。
そこで、いつ何時食べられるかもしれない運命のかがみもちは、逃げ出すことにしたのです。
ここからがすごくおもしろい。走って走っておなかのすいたかがみもち、ちょっと自分を味見してみるんです。
するとね、このおいしいこと、おいしいこと。あまりのおいしさに、かっぷり自分を食べている間に固まってしまったというわけ。
おもちが自分を食べて、あまりのおいしさにうっとりするところが最高です。
うちの子は、「すごい。自分の体食べてる〜!!」と2人とも大うけでした。