グリム童話の絵本は数えきれないくらいあるが、ぼくが
本当に気に入っている1冊がこれだ。
魔法使いの呪いで生まれながらロバの姿をしている王子が
努力して身に付けたリュート演奏の特技で自分の運命を変える…
原作にはない王子の前向きな生き方、王子の本当の姿をしっかり
見抜くお姫さまの恋心がさわやかでハッピーエンドが納得できる。
まるで舞台を見ているように適度に様式化され、登場人物が
魅力的なバーバラ・クーニーの水彩画が素晴らしい。
昔話を絵本化することに否定的な意見がある。
読み手の自由な想像力をじゃまするというのだ。
でもこの作品にはあてはまらない。
若い女性にお勧めしたいと思い、結婚披露宴の
スピーチで紹介したこともあるのだが、
それはまた別な話…