「村」から遠く離れた一軒家に暮らすピーター。
五歳になって学校に行ける歳になったので、早く行きたくてたまりません。
早く友達が作りたいからです。
ピーターは、学校を探して森の中を歩き続けます。
本当に遠い道。
誰かが見ているような気がして立ち止まります。
誰も居ません。
その繰返しで着ているものを順番に脱いで行くのが何かしら暗示的です。
やっとたどり着いた学校は、9月まで待たなければならないと教えられます。
ピーターは再び長い道を、家に向かって帰ることにします。
行きの道で置いてきたセーターを着て、靴を履いて、友達には巡り会えなかったけれど、たくさんの仲間がいることに気づきます。
淡々としていて、繰返しが多くて、盛り上がりには欠ける物語ですが、ピーターの心象世界として見ると、ピーターの心の微妙で繊細な動きを清々しく描いていて、応援したくなるお話です。