両親を失い、おじいさんと二人で暮らすデビーの将来の夢は、おじいさんの望んだものではありませんでした。
おじいさんの仕事はピアノ調律師。
そして、おじいさんがデビーに臨んだのは、ピアノの腕をみがいて、将来は演奏家。
ピアノ調律師はおじいさんの誇りではあるけれど、デビーにはもっと華やいだ(?)仕事についてほしいと思ったのです。
でも、デビーの夢は、とても素晴らしい夢だと思います。
名演奏家の陰になっても、自分で誇りをもてるもの。
この考え方がとてもうれしく響きました。
そして、おじいさんが教えなくても、デビーはピアノの調律を覚えていました。
勝手に人のピアノの調律をやろうとする無鉄砲さがあるけれど、それだけに将来が楽しみ。
内容にとても専門的な用語が飛び交うことが、この作品を一段とすばらしいものにしていると思いました。