「死」を正面からとらえた絵本を子どもに読ませる、あるいは読み聞かせるのって、タイミングをすごく考えてしまいます。
この本も、ずいぶん前に私一人で読みました。
でも、そのときにはまだ息子には読ませられないと思って封印。
小さい子には、ただただ悲しいだけの本だと思われてしまうかもしれないという危惧がありました。
主人公とおじいちゃんの濃密な絆。
それが、「死」によって引き裂かれてしまう。
人には寿命があって、それはどうしようもないことで。
人は、大好きな人を失ったその悲しみを、乗り越えなければならないんですよね。
おじいちゃんの口癖だった「ごくらく、ごくらく」。
この言葉をかみ締めることで、この家族はおじいちゃんの思い出をいつでも心に浮かべることが出来るんですね。
そうやって、亡くなった人のことを思い出すこと。
それがなによりの供養なんじゃないかなと思います。
息子も6歳になったので、この本を読ませてみました。
まだ息子は身近な人を亡くした経験がありません。
でも、自分の祖父母のことに引き写しながら読んでいたようです。
考えたくないことだけれど、我が家にもいつかはこういう日がくるということ。
そんなことを考えたのか、読んだあとはしんみりしていました。
テーマがテーマだけに子どもに与えるタイミングは難しいなぁ・・と思いますが、でも、考えさせられるいい絵本です。