うちには4才の息子がいるのですが、
「死」というものは、なかなか彼の理解の及ばないところにあるようです。
もっともっと小さかった頃には、アニメなどで死の場面に出会うと、「壊れたの?」と言っていました。
彼のボキャブラリーがなく、親もわざわざ「死」という言葉を教えたこともなかったためでしょうね。
身近な人の死に触れたことのない、ペットや虫も飼ったことがない息子。
アニメや絵本などでも、幼い子供に分かり易く、且つ上手に「死」を理解させてくれるものはあまりないと感じていました。
(ブルーナの[ミッフィーのおばあちゃん]ぐらいでしょうか?)
そう常々感じていたところ、この絵本に会いました。
「おじいちゃんのごくらくごくらく」は、身近な人の死について、とても情感豊かに描かれています。
おじいちゃんが、「ぼく」にとって、かけがえのない大切な人間だという描かれかたをしていながら、
最後にはおじいちゃんはほとけさまのくにへ行ってしまう、というながれ。
これには少し驚きました。
息子は、一度では「ほとけさまのくにへいく」=死が理解出来なかったようで、
どうしようか迷ったのですが、
「おじいちゃんは死んでしまったの」とストレートに教えました。
昔ほど、人の死を身近で経験することが少なくなった今、
絵本を通じて体験させてもいいのでは、と思ったからです。
長谷川さんの挿絵が、あたたかくも、しっかりと「愛する人の死」を教え、且つ「死の持つ悲しさ」に心がふさがれないようにしてくれます。
でも…この絵本の難点は、私がもう、最初の部分から泣いてしまうことかな!