まいちゃんは子猫のバニラがだいすき・・・から始まる、
だいすきの連鎖。
しかしこのだいすき、ドラマの相関図とは違って、
常に矢印の先は自分を指すことのない、片想いの一方通行。
どの想い人も違う人をだいすきなのです!
「ものすごくおおきなプリンの上で」作の二宮由紀子さん、
これもやっぱり斬新で、風変わりな絵本です。
可愛いイラストで、ほのぼのする絵本だと思ったら、
予想通りにいかない、ヘンテコ展開にびっくりします。
赤いスリッパのだいすきなものに恐怖すら感じたり。
オチに予定調和(まいちゃん好きで最初に戻る)を期待したら、
えええ、嫌いって?!
ストーリーは言葉ゲームのようにトントン進み、
ふと振り返ると、切ないひとだらけの家の中・・・
ほんとうにだいぶ可笑しな絵本です!
ヘンテコな中にも「うん、うん」と共感できる部分もあったり、
(飼い猫の多くは子どもは苦手だろうなー)
ありえないと思いつつ、
それぞれの想い具合を、その光景を、想像したくなります。
6歳の娘は、
「冷蔵庫はママがだいすきに決まってるよ〜!
だって、バンバン開けてるもの〜」と。・・・。
十人十色のだいすき矢印があるようです。
発想力を育てるような、試すような。
可愛くて、不思議な絵本です。