これはリニューアル物で、最初の日本で邦訳されたのは1970年だったそうです。
邦訳も前回の安西徹雄さんから、中川千尋さんに代わっていますし、何より版元は『光村教育図書』でした。
自分のつかえている王さまやすんでいる町の人々のために、何でもしてあげる優しい魔法使いメルリックが、ある日突然魔法が使えなくなってしまった!?というシリーズ第1作目のおはなしです。
メルリックは自分のためではなく、自分の(魔法)力に頼り切っている町の人や王さまのために、必死に魔力を取り戻そうとします。
その姿が健気でよかったです。
キャラクターとしては、最終的にメルリックが助けを求めに行く山のてっぺんに住んでいる魔法の師匠【クラ先生】の、表情とそのポーズが面白かったです。
文字はやや多めですが、各ページの絵が楽しませてくれるので、気が付いたら読み終えちゃっているという感じでした。
物語の展開がぽんぽん進んでいくので、ドラマ性がありました。