中田永一=乙一と知らなかった。
さてNコンも毎コンも経験した元合唱部員、さらに知人が五島出身のオバサンはところどころ涙腺を緩ませながら、あの圧倒的な時間の波を追いかけました。
作者は経験者? 取材だけでこれを書いているなら凄い想像力だなあ。
そう。一度、歌の波を知ると忘れられないんです。だけどあの声で歌えるのはあの一瞬の時期だけで。
でもこれは経験者だから3Dで甦るもの。他の人はどうなのだろう。
作りからしても映像向けではないかな。実際そうなっているようだし。
なんか文学というよりエンタメ(乙一自身エンタメ作家と分類されているから当たり前か)映像で見てこそという気もした。
それから男女2人の視点から語られるわけだが、その語りの人物が当の本人としてかかわった出来事でなく、少し遠い立場で関わった話というのが文章では捉えにくく思った。
合唱という多人数当たり前の心情を表現するには良い方法だし面白かったのだけど。
もうひとつ。発達障碍者を実にリアルに描いてあって、それが異質のものとしてでなく居場所があり、描かれ方にすごく好感を抱いた。
けど最後の合唱はありえないわ〜。中学生、そんなことせやんわ〜。先生に歌を届けようも、使い古された感と共に作られた感満載だなぁと。
最後の最後に萎えた。映像としてはきれいかと思うが。
うちの中学生は、まさにコトミタイプ。