可愛いおばけのケーキ屋さん。
彼の作るケーキは誰だって驚くおいしさ。
ある日訪れた女の子は、
食べてもそのおいしさに驚かなかった!
おばけは悔しくて
何度も女の子に食べに来てもらうのでした。
ある日、女の子が結婚で遠くに行くことになり・・・
とてもおいしい記憶というのは
大切な人と一緒に分かち合ったのであれば、
より強固なものになるよね。
そんなことをふと感じたお話でした。
夜空や丘の上などの背景がとても幻想的で、
流れる涙だけ描き方を変えてあるのも、ドキリとします。
かなり漫画的なキャラクター絵ですが、
予想以上にしんみりと沁みる絵本です。
女の子は簡単に気づいたのに、
なぜおばけは忘れてしまったのでしょう。
(それがおばけだと言われればそうなのだけれども。)
女の子のおいしい反応(=驚き)が見たかったおばけ。
会えたその時から女の子のほうは
ケーキのおいしさを確信していたのですね。
二人の気持ちやスイーツから感じる甘さ、
ミックスされた物語の余韻が心地よい。
優しい気持ちになれる絵本です。