今まで100万回生きてきたねこは、今までのどの人生も好きではありませんでした。最後にねこは誰かの所有物ではなく、野良猫として自分のための人生を歩みます。その時、ねこは白い美しいねこに出会い誰かを愛するという感情を学びます。それからたくさんのかわいい子ねこたちが生まれ、ねこは自分以上に誰かを大切に思う気持ちを学びます。最後にねこは、白いねこを失って悲しむという感情を学びました。今までのどの人生にも満足せず100万回死んで生きてきたねこは、最後の人生で今まで欠けていた感情を手に入れて二度と生き返ることはなかったのです。ねこは、今までの満たされなかった心を埋めるように何度も生と死を繰り返してきたのだと思います。愛と生と死と、人間にとってとても大切なことを考えさせられる絵本でした。