読み終えて、実に奥の深い話だと思いました。
羨望の的ととして傲慢な気持ちで、ただそこに“いる(存在する)”
のと、多少、自分は何かを提供しなければいけないけれど、かけがいの
ない仲間をえて、人に喜んでもらえることの喜びを知るのとどちらがいい?
そういうことを、キラキラ光る鱗を通して、読者に問われている本だと
思いました。しかも、絵が可愛らしいのに、訳者の谷川俊太郎さんの
ストレートな文が、余計胸に残ります。
今まで魚の話で外国の絵本というと、『スイミー』が一番に思いつきましたが、
これからは、『にじいろのさかな』もすぐに頭に浮かぶことでしょう。
実は、特集でレビューを募集と知って、今まで、題名や「きれいな本」と
聞いたことはあったけれど手に取ったことはなかったので、恥ずかしながら本屋で
立ち読みをしました。シリーズの最初のこの『にじいろのさかな』を読んだ後、
とても興味が湧き、次々と横に並んでいるシリーズを読みました。
どれも、場所は海の中で主人公は魚だけれど、人間関係や人生の大切な
ことを教えてくれる“よきバイブル”でした。
絵本としては幼稚園児くらいからがちょうどよさそうですが、十分に
大人にも良本だなと思います。息子に全シリーズ揃えたいくらいです。
是非、一読してください! お薦めです。