ライオンというと怖い動物の定番ですが、ここに出てくるライオンは、まったくライオンらしからぬお人よしでのんびり屋、人と音楽が好きなとっても気のやさしいライオンです。
で、ある日、飼育係りがライオンの家の戸を閉め忘れたことで事件は起きます。
ライオンの脱走です。普通に考えるとそうなんだけど、このライオンは違うのね。
いつもむこうからきてくれる人たちに挨拶に行こうと思うんです。脱走じゃなくて。
その後の、ライオン側と人側のあまりのちぐはぐさがとてもおかしい。
見た目で判断しちゃいけないよ。このライオンはとってもいいライオンなんだから。
子どもはね、動物が大好きです。熊も、トラも、そしてこのライオンも。
だから、何の違和感もなく、この絵本のライオンと友達になるでしょう。
でもね、だからって、動物園に行ってライオンのおりに不用意に近づいたりしてはいけないよ、ってことはちゃんと教えたほうがいいと思うけど。