悠長に町を散歩するライオンと大慌ての人間。人間の空回り加減がおかしくも悲しくもあります。
怖いもの、面倒なもの檻のなかにあるかぎり人々は優しく接するけれど、いったんそれが自分の近くにくるとパニックになってしまう、なんか耳が痛いように感じるのは私だけでしょうか。
ライオンはもう2度と外に行くのはごめんだ、とおもいました。いろいろな国に仕事で旅した義理父も、もう外国にいくのはごめんだ、自分の家が一番いい、といっています。似ているなあと思ってしまいました。
もう30年以上も前の絵本ですが、フランスの町並みはこの頃と全くかわっていません。変化の激しい町にいるわたしには、このことがうらやましく感じられます。