表紙の新居広治さんの骨太の版画に惹かれて手に取りました。
30年間、わらで編んだゆりかごに入ったまま、赤ちゃんのような生活を続けていた「でいだらぼう」。
不思議な老人の登場をきっかけに、ゆりかごから出て立ち上がり、育ててくれた老婆のもとを離れ、旅に出ます。
でいだらぼうがどうなるのか、お話の続きが気になり、ぐんぐん読み進めました。方言の読み方が難しいですが、音読すると雰囲気で伝わってきます。
初版は50年前。
モチーフやエピソードから、物語が何かの比喩になっているのかな、隠れたテーマがあるのかな、と思わされましたが…何かモヤモヤしてしまったので、単に新しい「大男の昔話」として読んでみると、なんとなくすっきりしました。
こういうお話もあるのだな、と気づかされた一冊です。