世界26か国の食べものを紹介した、楽しい大判絵本!
絵本紹介
2023.03.31
ぼくの友だちデイビッドの頭には、きれいな花が咲いている。ぼくたちはいつも一緒に遊ぶんだ。 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介する絵本は、『ぼくのともだちはあたまにはながさいている』。ふんわり優しい表情が印象的なデイビッド。いったいどんなお話なのでしょう。
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
ぼくの友だちデイビッドの頭には、きれいな花が咲いている。デイビッドは、頭の花びらみたいにふんわりしていて優しい。みんなデイビッドのことが大好きだ。
ぼくたちはいつも一緒に遊ぶ。はしゃいだり、歌ったり。鳥の家族がデイビッドの頭に一か月もいた時は、おかしくってみんなで笑ったり。ところがある日、デイビッドの頭の花びらが一枚ずつとれていき、デイビッドは笑わなくなってしまった。おしゃべりもしないし、遊ばない。枯れ枝みたいなデイビッドの頭を見ながら、ぼくはいいことを考えた……。
頭の花びらみたいにふんわり優しいディビッドが、みんな大好き。
はしゃいだり、うたったり。ぼくたちは、いつも一緒に遊ぶんだ。
ところがある日、デイビッドの頭から花びらが一枚おちてきて……。
いつもと様子がちがう友だちを見て、自分のことのように胸を痛める「ぼく」。決してその訳を問いつめるでもなく、隣にそっと寄りそいながら、自分のできることを考えるのです。こんな風に、相手の状況を想像し、共感することができたなら。その優しい気持ちは、きっとまわりの子たちにも伝わっていくはずです。
その子がその子らしくいるためには、どうしたらいいのか。この絵本に登場する「ぼく」を見ながら、色々なことを考えてしまいます。デイビッドの元気が戻ってきても、彼をずっと見守りつづける「ぼく」。それはきっと、「ぼく」にとっても、友だちが元気でいることが大切なことだとわかっているからなのでしょうね。
そんな二人の様子を、ふんわりと優しい絵で描き出すこの絵本。読む人みんなの心にも花がさくような、幸せな気持ちにさせてくれる一冊です。
「ぼく」が導き出した答えは
自分とは違う誰か。異なる環境だったり、性質だったり、元気になれる方法だって違うかもしれない。そんな誰かの気持ちを想像するのは、とても難しい時もあります。でも、絵本の中の「ぼく」は言うのです。「デイビッドはぼくの一番の友だちで、ぼくもデイビッドの一番の友だちだから」と。だから彼のことを見守っていくだ、と。そのシンプルな答えは、読む人の心の中にきっと素直に受け入れられていくことでしょう。
この書籍を作った人
絵本作家であり、イラストレーター、アニメーション・ディレクター、ウェブ・デザイナーなど多彩に活躍。はじめての絵本作品である『アランの歯はでっかいぞー こわーいぞ』(BL出版)で、2017年、V &A イラストレーション賞を受賞。ほかの作品に『ホッキョクグマと南極のペンギン』『もぐらのモリスさん おうちにかえりたい!』『クリスマスツリーをかざろう』(以上、BL出版)『ぼくのともだちは、あたまに はながさいている』(岩崎書店)など多数。イギリス、マンチェスター在住。
この書籍を作った人
神戸市に生まれる。広告会社、旅行出版社などを経て、長年、絵本や児童書の編集に携わる。翻訳作品に『おまえたち、くっちゃうぞ〜!わにがめのアルとちいさなさかなたち』(岩崎書店)がある。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。