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インタビュー

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2015.11.12

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「ぐりとぐら」の生みの親が贈る、心がほぐれる45のメッセージ『子どもはみんな問題児。』中川李枝子さんインタビュー

「ぼくらの なまえは ぐりとぐら……」おなじみのフレーズが印象的な、ベストセラー「ぐりとぐら」シリーズ(絵:大村百合子 出版社:福音館書店)を生み出した中川李枝子さんは、東京世田谷区のみどり保育園で17年間、保母をされていた子どものプロフェッショナルです。中川さんの新作『子どもはみんな問題児。』(新潮社)は、育児中のお母さんに贈るメッセージ集がたっぷり。本書を書こうと思った経緯から、『ぐりとぐら』誕生のきっかけとなった“ある”絵本の存在まで……。中川さんの仕事場にお邪魔して、おはなしを伺いました。

  • 子どもはみんな問題児。

    みどころ

    焦らないで、悩まないで、大丈夫。子どもは子どもらしいのがいちばんよ。

    名作絵本「ぐりとぐら」の生みの親は母であり、数多くの子どもを預かり育てた保母でもあった。毎日がんばるお母さんへいま伝えたい、子どもの本質、育児の基本。「いざという時、子どもは強い」「ナンバーワンは、お母さん」「がみがみ言いたい気持ちを本で解消」……45のメッセージを収めた、心がほぐれる子育てバイブルついに刊行!

この人にインタビューしました

中川 李枝子

中川 李枝子 (なかがわりえこ)

作家。1935年札幌生まれ。東京都立高等保母学院卒業後、「みどり保育園」の主任保母になる。72年まで17年間勤めた。62年に出版した『いやいやえん』で厚生大臣賞、NHK児童文学奨励賞、サンケイ児童出版文化賞、野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞。翌年『ぐりとぐら』刊行。『子犬のロクがやってきた』で毎日出版文化賞受賞。主な著書に絵本『ぐりとぐら』シリーズ、『そらいろのたね』『ももいろのきりん』、童話『かえるのエルタ』、エッセイ『絵本と私』『本・子ども・絵本』。映画「となりのトトロ」の楽曲「さんぽ」の作詞でも知られる。2013年菊池寛賞受賞。『ぐりとぐら』は現在まで10カ国語に翻訳されている。

どんな育児書よりも読んでほしいのは……。

『子どもはみんな問題児。』というタイトルからすでに、「問題児でも、大丈夫よ」と優しく言われているようで……。読んでみると本に書かれている一言一言がお母さんたちへのエールのように感じました。今まで、中川さんが絵本以外の作品を発表することは少なかったと思うのですが、どういう経緯でお母さんのための本を書くことになったのですか?

それは、編集者の門文子さんがとても熱心に薦めてくださったからなのよ。
 
門(新潮社編集):個人的なことですが、育休から仕事復帰してすぐ壁にぶつかりました。育児時間がぐんと減ったことで、泣いてばかりのわが子の気持ちが分からなくなったんです。ネットなどで情報は得られますが、相談できる先生は見当たらなくて……。そんなとき、松屋銀座で開催されていた「誕生50周年記念 ぐりとぐら展」を見に行きました。『ぐりとぐら』に再会したとき、どんなにこの絵本が好きだったか、どんなに2匹と遊びたかったかがよみがえってきました。同時に、こんな素敵なおはなしを書いた人なら、子どものことを誰より知っていると確信したんです。

それで、中川さんに依頼をされたんですね。

この本は、私が長年、全国各地で保育士のお仲間にはなししてきた講演録を元にしています。とても丁寧に、お母さんたちの知りたいテーマごとにまとめてくださって。この本を見せると、どの人も「いい本ですね」って言ってくれるんだけど、私は、「それは門さんの力なのよ」って答えています(笑)。

「子どもはたいがい臭いものです」「お母さんのお弁当をどんなに喜ぶか見せてあげたい」「子どもはお母さんの弱みを突いてきます」「ナンバーワンはお母さんなど、どの章にも気になるフレーズが入っていて、ハッと胸を突かれました。

門:「お母さんがんばりなさい」ではなく、「ナンバーワンは、お母さん」。母親の気持ちがふわっとほぐれる中川さんの言葉がなかったら、私自身、仕事と子育ての両立はできなかったと思います。まず、保育園に子どもを預けることに不安、罪悪感を持つお母さんもたくさんいます。それを「わが子を赤の他人に預けることはすごく勇気がいる。私たちは、お母さんの信頼を絶対に裏切る訳にはいかないのよ」と保育士の視点で教えてくれたのは中川さんだけでした。そして「二四時間、一緒にいることはないのよ」と母親の背中を押してくださる。

私も現役のお母さんや保育士さんとはなす機会があると、「今はどんな育児書が流行っているの?」って聞くの。「“泣いてもしばらくほうっておきなさい”なんです」とか、「今は“泣いていたらすぐに抱っこしなさい”って言われる」って……、その時々によって色んな流行があるのよ。だから、そんなことを気にするよりも、私はちゃんとした質の良い児童文学を読みなさいってすすめています。古今東西の傑作には良いお母さんがいっぱいでてくるからって。

「いい作品にはいいお母さんがいます」の中で、『小さい牛追い』の四人の子持ちのお母さんや、『あらしの前』『あらしのあと』のお母さん、『大草原の小さな家』のお母さんなどを例に挙げていますよね。

本にも書いたけれど、10代で「岩波少年文庫」と出会って、たくさんの作品を通して登場する子どもたちに感情移入をして楽しみました。でも、自分が母親になって息子と一緒に読んだとき、子ども同士のケンカやいたずら、危険な遊びなど、子どもの頃には気づかなかったさまざまな発見があってビックリしたの。同時に、子どもたちを支え、力を貸していく親や周りの大人の存在にも気づくことができました。子どもを知るために、今のお母さんたちにも是非、児童文学を読んでほしいと思うのよね。

本には子どもの本来の姿について、育児の基本について、お母さんの心得について、それぞれまとめられていますが、ここからは「4章 本は子どもと一緒に読むもの」の内容について聞かせてください。中川さんはお子さんにもたくさん絵本を読んでいたそうですね。

2歳になるころには毎晩、寝る前に欠かさず読んでいました。

そのときは、やはり、膝の上に乗せて一緒に読んでいたんですか?

そうよ。お母さんの膝の上は「自分は愛されているんだ」という安心できる場所。そこから子どもの読書ははじまるの。『くまのプーさん』も『たのしい川べ』も『ドリトル先生』も子どもと一緒に読みました。読んでもらう分には長いおはなしでも子どもはちゃんとわかるんですよ。

『いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう』を、ものすごい速さで読んだこともあったんですよね。

そう、時速250キロよ。でも、速く読んでも、大喜び(笑)。『いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう』は大好きな絵本のひとつね。山手線に息子と一緒に乗ったら、車掌さんを指さして「オーリー」って。『3びきのくま』も大好きで、動物園のクマはみんな「ミハエル・イワノビッチ」か「ナターシャ・ペトローブナ」。子どもって本当に絵本の世界に入り込んでいるのだと感心、息子に負けたと思いました。

絵本を読めば子どものことから、その子のお母さんのことまで分かるのよ。

中川さんは17年間、世田谷区駒沢公園にあった「みどり保育園」で保母さんとして子どもたちと接してこられましたが、保育園で絵本を読むことは、家庭で読むこととは違う感覚でしたか?

そうね。保育園は公共の場ですから、時速250キロでは読まないわね(笑)。みどり保育園はほとんど3年か4年保育で、入園式はなく、入った子が保育園に慣れて私たち保母の手がかからなくなったら次の子をひとり預かるという形だったの。保育園に来る子には、初めが肝心。ひとりずつみっちり、スキンシップからはじめます。少しずつそばに行って、その子に気に入られるようにして、抱っこができるようになり、自然にはなせるようになる。最初から絵本を読むことはできないのよ。まずしっかり信頼関係を築いてからでないと。

絵本を読むのは信頼関係を築けた、最終段階なんですね。中川さんが保育園の子どもと最初に読む絵本は決まっているんですか?

いつも決まって『ちいさなねこ』。はじめての絵本には、日本の作家のものがいいの。子どもを膝に抱いて、「これなあに?」って聞くと、どの子もみんな「ネコ」っていうの。「はっきり」していて「分かりやすい」。これは良質な絵本の定義のひとつなの。

本の中にも「子育て真っ最中のお母さんには、ぜひ良質のものを選んでほしい。」と書かれていますよね。中川さんの中の「優れた絵本」の定義はほかにどんなものがあるのですか?

基準は「面白く」「はっきり」「わかりやすく」。『ちいさなねこ』は、人間のお母さんではなく、ネコのお母さんという部分に「分かりやすさ」があると思うの。

たしかに、人間のお母さんですと、髪形や洋服など時代によってもいろいろ変わってきてしまいそうですが、ネコなら見た目で子ネコと親ネコがすぐに分かりますね。

「素材の親近性」と「スリル」「リズム」「ユーモア」。赤ちゃんだからって、ただ繰り返しばかりの絵本ではつまらないのよ。「次は何があるかな……」という期待が持てて、ワクワクする内容でないと。だから、『ちいさなねこ』の様にちゃんとストーリーがあるものが良いのよ。保育園でこれを読むと、みんな身を乗り出してました。絵本に反応する子どもの様子をみていると、その子のお母さんがどういう人なのか、私たちは分かってくるのよ。

え? おはなしを聞いている子どもたちの姿からですか?

もちろん。神経質なお母さんの子か、のんきなお母さんの子かでも、絵本を見ている子どもの反応はそれぞれです。例えば、子ネコが外に出てしまう場面。神経質なお母さんの子は、そんなこととんでもない!という顔をするの。そんなの当然という顔をしている子もいて、そういう子は、外にお散歩に行くとき、ひとりで行ってしまう危険性があるから、しっかり見ていなくちゃと思うのね(笑)。

なるほど……。

子どもひとりひとりの今までの育ち方が、絵本を通して分かるのよ。ネコに引っかかれたことのある子は、ネコが子どもの手をひっかくページで、ちゃんと同じ経験をしたことがあると白状します (笑)。あと、どの子もネコが木の上に逃げる場面はすごく好きね。あるとき子どもたちとのお散歩でネコと出会いました。そうしたら、子どもたちがネコを見て立ち止まるやいっせいに、「木があれば大丈夫、ネコは木に登れるけれど、犬は登れない」って言うのよ。それも嬉しそうに。私、なんて賢いんだろうってビックリしました。あれはきっと、子どもたちにとって、安心する場面だったんでしょうね。

絵本の中の言葉をつぶやくなんて、とってもかわいいですね。

お母さんが子ネコを助けに来る場面での反応もいろいろね。安心している子もいるし、心配になっている子もいる。このページで安心している子のお母さんは心配はないけれど、不安にしている子は、ちょっと気にしないと……と思ったわね。

その1ページで、そんなことまで分かるんですね!

分かるわよ。最後の、お母さんと一緒にいる場面はみんなホッとして大好きなんだけど、それを見て「いやらしい」という子がいたの。弟や妹にお母さんを取られていて、いつも我慢しているのね。そうか思うと、まだお母さんのおっぱいを飲んでいる子もいて、ちょっと恥ずかしそうにしているの。

そういう子どもたちの反応を見るのに、絵本はピッタリなんですね。

最初は、関係性を築けるようになった子、ひとりひとりを膝に乗せて読んであげるの。どの子も絵本は好きだし、先生を独り占めできるから嬉しいのよね。そうして、だんだんみんなで一緒に本を読めるようにしていく。絵本を通じて集団に慣れていくんです。でも、無理しちゃだめよ。絵本に行くまでに1か月くらいかかる子もいれば、1週間で慣れる子もいる。絵本は必ずこの『ちいさなねこ』からはじめるの。そうすると、失敗はないんです。

『ちいさなねこ』以外によく読んだ絵本はありますか?

たくさん読んだけれど、中でもよく読んだのは日本の作家ではかこさとしさんの絵本。特に「だるまちゃん」シリーズはアットホームだから、子どもたちは大好き。海外の絵本でもきちんとストーリーができている絵本を読むわね。『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』も良いし、『3びきのくま』や『三びきのやぎのがらがらどん』も。あと、こわいはなし。子どもはこわいはなしが大好きなのよ。

「こわい話には安全地帯を用意して」の中に、こわいはなしを読むときの心得が書いてありますね。

「大男や鬼ババ、おばけが出てこようと、あわてず騒がず、落ち着いてゆったりと平然と語りましょう。」ね。こわいはなしでよく読んだのはグリム童話。なかなか先生のいうことを聞かないワガママな子が聞いていると、その子の悪さをおはなしの中に盛り込んで、めいっぱいこわくしておどかしたこともあったわ(笑)。もちろん、信頼関係がしっかりとできている子じゃないとダメよ。子どもたちは「キャ!」っていったり「わっ!」って言ったり、こわがりごっこをするんだけど、読み終わると「なんだ、ちっともこわくないや。先生、次はもっとこわいはなしを読んで」って言うの。でも、最後はちゃんと、『ちいさなねこ』や『だるまちゃんとてんぐちゃん』でお口直しをするのが大事なの。

お口直しがあると、こわいはなしも後まで残らず、そのときだけのドキドキで終わるんですね。ほかにも、子どもたちと絵本と関わるなかで、印象深い事といったらなんでしょうか?

いろいろな子どもたちとつきあいましたが、絵本や物語の嫌いな子どもはひとりもいなかったということね。
もし嫌いな子がいるとしたら、大人の与え方が下手だったのでしょう。よほどつまらない本をあてがわれ、うんざりしてしまったとか。それはその子のせいではなく、周りの大人たちの責任ね。子どもはもともと絵本や物語が大好きです。そうしてお母さんといっしょに過ごすひとときは、人生で一番最初の大切な時であり、人生の原点でしょう。その後、大きくなるにつれていろいろ厄介なことがやって来ますが、それに耐える力や乗り切る力は、幼児期が幸せであればあるほど強くなるに違いありません。
……とはいえ、絵本を選ぶのも、読むのも、忙しい大人です。「もう1回、もう1回」と言われると、くたびれてにくらしくもなるのよね。そんなときには、いつか必ず卒業の日がやってくることを思い出してね。

『ぐりとぐら』も『いやいやえん』も、みんなみどり保育園から生まれたの。

本の中で中川さんは「あの保育園に勤めなかったら、私は『いやいやえん』を書かなかったということです。『ぐりとぐら』シリーズも『ももいろのきりん』も生まれなかったことでしょう。」と書いていますが、これにはすごく衝撃を受けました。「子どもはみんな問題児」くらいの方が自然でいい、と思われる原点もこのみどり保育園にあるんですよね。

私は東京都立高等保母学院を卒業してすぐ、世田谷区にある無認可園「みどり保育園」の主任保母になりました。園長の天谷保子先生が立ち上げたばかりの保育園で、私はそこの最初の主任保母さんだったの。みどり保育園に勤めることが決まったとき、天谷先生から「お掃除なんかは何もしなくていいから、子どもたちが全員出席するようにしてください」と言われたの。でも、みどり保育園は今の駒沢公園のある41万3600平方メートルの原っぱの隅っこに建っていて、つまらなければ子どもたちはすぐに原っぱに行ってしまえるような環境だった。だから、私は原っぱにない面白い事をしなくちゃって。いぬいとみこさんから岩波の子どもの本を教えてもらって、一揃い買っておはなしを読んだの。その中で人気だったのが『ちびくろさんぼ』だったのよ。

本の中には、あまりの熱狂ぶりに、天谷先生がお家からホットケーキの材料を一式持ってきて、みどり保育園の子どもたちにホットケーキを焼いてごちそうしたというエピソードも紹介されていますね。

そう。ちびくろさんぼのように169枚も食べることはできなくて、みんなちょこっとだったの。それでも、子どもたちは大喜び。そんな姿を見ていたら、「なにがトラのバターよ!(笑)」って思って、書いたのが『ぐりとぐら』。ホットケーキよりも美味しいカステラを子どもたちにお腹いっぱい食べさせたかったの。

それで、ぐりとぐらが卵で作るのは、カステラなんですね!

『ぐりとぐら』の誕生にはもうひとつエピソードがあって、それがこの絵本。これが『ぐりとぐら』の名前の由来なのよ。

この、白ネコと黒ネコの絵本ですか?

これはフランスの絵本なんだけど、保母時代、フランス語の先生のところから絵本を借りてきて、自分で紙芝居にして子どもたちに聴かせていたりしたのね。その中に出てくるはやし歌の歌詞が「Gri Grou Gra」なの。この歌が子どもたちは大好きで、紙芝居でもこの場面が来ると、一斉に「Gri Grou Gra」って歌ってくれるの。それで、おはなしの主人公の名前を考えていたとき、このはやし歌の歌詞をつけたの。

『ぐりとぐら』誕生に、フランスの絵本が影響していたなんて! 今回は『子どもはみんな問題児。』を中心に、中川さんの保母時代のおはなし、絵本を子どもと一緒にどう楽しんだらいいかを伺えて、とても楽しかったです。最後に、絵本ナビのユーザーさんにメッセージを頂きたいのですが、中川さんから見て、今のお母さんたちは子育てに悩みを抱えていると感じることはありますか?

どうかしらね、昔から色んなお母さんがいますからね。のんきな人もいるし、神経質な人もいる。だからどの時代であっても、悩み方も内容も千差万別でしょう。でも、どんなお母さんでもいいのよ。ひとつでも得意なものがあれば、それで充分!子どもにとってはどんなお母さんでも大好きな人ですからね。17年間保育園に勤めて何がわかったかというと、子どもはお母さんが大好きということ。ですから私は、お母さんはどこまで知ってるかしら、こんなに子どもに愛されて幸せねと思っていました。

中川さんのおはなしを伺うと、たしかに、子どもはお母さんの鏡だという気がしますね。

本当にそう。今回の本の中から、絵本ナビのお母さんにメッセージを贈るとしたら、もしも「うちの子、大丈夫かしら」と心配でも、お母さんががんばる必要はないのです。子どもは所有物ではありません。人として尊ばれ、社会の一員として重んじられ、良い環境で育てられればおのずとしっかりしていくものです。私は自分より上出来ならいいと思っていました。よその子と比べないで、自分と比べてください。自分よりできたら、それで満点、合格です……かしらね。

とても心強いエールをありがとうございます。今回、すべてを紹介できませんでしたが、子育てに悩むお母さんへのメッセージがこの本の中にはたくさん出てきます。多くのお母さんたちに『子どもはみんな問題児。』を読んでほしいですね。

本を読んで、少しでも子育てに対するお母さんの悩みが軽くなったら、嬉しいわ。

焦らないで、だいじょうぶ。

悩まないで、だいじょうぶ。

子どもをよく見ていれば、だいじょうぶ。

子どもは子どもらしいのがいちばんよ。

宮崎駿監督のコメント付き帯が登場します!

今回、ご紹介した『子どもはみんな問題児。』のオビが、11月下旬から新しくなります! オビに「この本こそママの味方」と推薦の言葉を寄せてくださったのは、映画監督の宮崎駿さん。おふたりには数々の作品を通して温めてきた親交があり、映画「となりのトトロ」のオープニング曲、「さんぽ」は中川李枝子さんの作詞です。 お母さんと子どもへの愛がたっぷりつまった『子どもはみんな問題児。』、ぜひ手に取ってみてください。

編集後記

中川さんがお持ちの貴重な絵本(初版本!)も見せていただきました。誰もが知っている『ぐりとぐら』を生み出した中川李枝子さんへの念願のインタビュー! ということで、かなり緊張の面持ちで取材に臨んだスタッフ一同。そんな私たちを、中川さんはとってもチャーミングな笑顔で向かえてくれました。仕事場に入って真っ先に目に飛び込んできたのは、ずらっと並ぶ岩波少年文庫。「ここにあるのはほんの一部。蔵書のほとんどは本宅の方にあるのよ」と言っていましたが、名作が並ぶ本棚は圧巻でした。インタビュー中は中川さんがお子さんに読んだ絵本(なんと初版本!)もたくさん見せてくださり、その歴史を感じるたたずまいに、改めて長く愛され続ける絵本の力を感じた瞬間でした

インタビュー・文: 木村春子(絵本ナビライター)
撮影:所靖子

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