おいしい食べ物が描かれた絵本はたくさんありますが、『パンどうぞ』(講談社)は今までのたべもの絵本にない技法で作られた作品です。作者は「彦坂木版工房」の彦坂有紀さんと、もりといずみさん。そうです! あのおいしい絵本は木版画で作られた作品なんです。焼きたての香りまでただよってきそうな『パンどうぞ』と新作の『ケーキやけました』。お二人のアトリエにお邪魔して、おはなしを伺いました。
●『パンどうぞ』『ケーキやけました』の木版画ができるまで
「木版画でパンを作るってどうやるの?」そんな疑問に応えて、制作過程を見せていただきました。

①木版に適した合板の板を彫刻刀で彫っていきます。

②角を滑らかにするため「面取り」をします。

③紙の置く位置を指定する「見当」を彫ります。

④版木が完成したら、水と絵の具を版木に乗せて、刷毛で全体にのばします。

⑤グラデーションをつけたいところは、刷毛や布を使い調整します。

⑥見当の位置に紙を当てながら置き、上からばれんで摺ります。

⑦ 全ての版木で④~⑥の作業を行い、摺りを重ねていけば1枚の絵が完成します。
……いかがでしたか?