追悼 谷川俊太郎さんの絵本を辿る

詩人であり数々の絵本を私たちに届けてくれた谷川俊太郎さんの訃報が届きました。
絵本ナビでは2010年から2021年の間に5回、谷川さんにお会いし、お話を聞く機会に恵まれました。
谷川俊太郎さんへの感謝と追悼の意を込めて、足跡とともに絵本や過去のインタビューなどを紹介します。

作家紹介

谷川 俊太郎

谷川 俊太郎 (たにかわしゅんたろう)

1931年、東京に生まれる。高校卒業後、詩人としてデビュー。1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』(創元社)を刊行。以後、詩、絵本、翻訳など幅広く活躍。1975年日本翻訳文化賞、1988年野間児童文芸賞、1993年萩原朔太郎賞を受賞。ほか受賞多数。絵本作品に『ことばあそびうた』(福音館書店)、『マザー・グースのうた』(草思社)、『これはのみのぴこ』(サンリード刊)、『もこもこもこ』(文研出版)、「まり」(クレヨンハウス刊)、「わたし」(福音館書店)、「ことばとかずのえほん」シリーズ(くもん出版)他多数の作品がある。翻訳作品も多数。

あなたが「今」好きな絵本3冊は、なんですか?

【特別編】好きな絵本に理由なんかないよね<谷川俊太郎さん>

今回この質問に答えてくださったのは、数多くの絵本を手がけられ、絵本ナビのインタビューにも何度か登場してくださっている谷川俊太郎さん。新作絵本を刊行されるタイミングで、この企画の中では「読者」として登場してくださることになったのです! 慣れないオンラインでのインタビューの中で、少し緊張しながらもいつもと同じ質問を投げかけさせていただきました。谷川さんはいったいどんな絵本を選び、どんなお話をしてくださったのでしょう。最後には最新作の紹介もあります。…続きを読む

文研出版からのメッセージ

谷川俊太郎先生のご逝去に際し、謹んで哀悼の意を表します。
これからも、先生の作品『もこ もこもこ』『ココロのヒカリ』『ほしにむすばれて』を通 
じて、多くの子どもたちに夢と希望を届けてまいります。
谷川俊太郎先生、心より感謝申し上げます。

株式会社新興出版社啓林館 文研出版

【刊行年表】
1977年4月  『もこ もこもこ』発刊
2004年    『もこ もこもこ』ブックスタートに選定(2020年まで)
2006年3月  『もこ もこもこ』(大型絵本)発刊
2009年4月  『ほしにむすばれて』発刊
2010年8月  『ココロのヒカリ』発刊
2014年    『もこ もこもこ』発行部数100万部突破
2022年12月 『もこ もこもこ』発行部数150万部突破
2023年4月  『もこ もこもこ』(ミニブック)発刊

文研出版から刊行された絵本

もこ もこもこ

もこ もこもこ

作: 谷川 俊太郎 絵: 元永 定正 出版社: 文研出版

  • ためしよみ
  • 全ページ

ISBN:9784580813953
税込価格:¥1,650

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みどころ

はじまりは「しーん」と静か。
やがて、「もこ」。地面の一部が盛り上がり。
「もこもこ」、それは大きくなり、隣には「にょき」っと新たにちいさな盛り上がり。
ページをめくるごとに次々に起こる驚きの展開。
それらはどんどん大きく膨れ上がり……そして最後には!?

まったく不思議な絵本です。出てくる言葉は「もこ」「にょき」「ぽろり」と奇妙な擬音ばかり。色や形だって……この絵本を開いて頭にハテナを浮かべながらも、そのまま声に出して読み続けていると、横で赤ちゃんが、子どもたちが喜んでいる。どうやら、知らぬ間にこの絵本の世界に引き込まれて夢中になっているようなのです!

何だかわからないけれど喜ぶからと毎日続けて読むうちに、大人だって楽しくなって、自由テキトウ、自己流に読み始める。その頃には赤ちゃんの方も「もこもこ」とか「ぱちん!」って言うだけで、キャッキャするようになって。そのうち今度は子どもに読んでもらえるようになったりして。

詩人谷川俊太郎さんと画家元永定正さんがおりなす異色ながらも傑作と言われるこの絵本。つまり、そのくらい親子に愛読され続けているんです。まだ経験していない方は、ためしに手にとってみてくださいね。
もうすぐ誕生40周年!『もこ もこもこ』谷川俊太郎さんインタビュー(掲載時タイトル)

空と地面の「しーん」とした空間に、「もこ」、「もこもこ」……と何かがふくれあがってくるふしぎな絵本『もこもこもこ』。発売当初は「全く売れなかった」と谷川さんが振り返るこの作品も、100万部を超えるロングセラー作品となりました。今回は、谷川俊太郎さんに元永さんとの出会いや、『もこもこもこ』が生まれた経緯など、いろいろなおはなしを伺いました。…続きを読む

『もこもこもこ』を朗読していただきました

教育画劇からのメッセージ

谷川俊太郎先生のご逝去に際し心から哀悼の意を捧げます。
微力ながら、谷川先生が書かれた詩と言葉を大切に伝え続けてまいります。

株式会社教育画劇

教育画劇から刊行された絵本

がいこつ

がいこつ

作: 谷川 俊太郎 絵: 和田 誠 出版社: 教育画劇

ISBN:9784774606613
税込価格:¥1,650

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出版社からの内容紹介

-誰かを本気で好きになったら、怖いものはなにもない!-数々の名作絵本を送り出してきた谷川俊太郎と和田誠のごきげんな1冊。ありのままの自分にえっへん!と思える1冊です。
あくま

あくま

作: 谷川 俊太郎 絵: 和田 誠 出版社: 教育画劇

ISBN:9784774610689
税込価格:¥1,650

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出版社からの内容紹介

昔話の中の道を歩いていくと、僕が出会ったのは、魔女そして・・・あくま!魔女もあくまも僕と友だちになりたいっていうけれど・・・!?少年の冒険心を彷彿とさせる1冊。

復刊にあたって

生と死が、一瞬と永遠が、
隣り合い混じり合っているような絵本です。
ぜひ多くの方に谷川俊太郎さんの詩を、あらためて届けたく思います。
(教育画劇編集部)

世界文化社からのメッセージ

谷川俊太郎先生のご逝去に際し、謹んで哀悼の意を表します。
翻訳をしてくださった絵本「しっぽばなし」「わたしのやま」を始め、

谷川先生からいただきました作品を後世に繋いで参ります。

世界文化社

世界文化社から刊行された絵本

わたしのやま

わたしのやま

作: フランソワ・オビノ 絵: ジェローム・ペラ 訳: 谷川 俊太郎 出版社: 世界文化社

ISBN:9784418208005
税込価格:¥1,540

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出版社からの内容紹介

読み進めると「わたしのやま」でまったく異なる世界が広がる、驚きのある1冊です。
同じテキストで視点が変わるというユニークな絵本のスタイルに谷川先生が興味をもってくださり、
翻訳をしていただきました。他者との共存を考えるきっかけにもなる絵本です。
しっぽばなし

しっぽばなし

作: アヌーシュカ・ラビシャンカール 絵: ツシャール・ワイエダ マユール・ワイエダ 訳: 谷川 俊太郎 出版社: 世界文化社

ISBN:9784418238026
税込価格:¥3,960

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出版社からの内容紹介

インドの出版社「タラブックス」は少数先住民族に伝わる芸術を、一冊一冊美術品のような
絵本として世界中に届けてきました。谷川先生の珠玉の翻訳で、
ちいさなねこが”理想のしっぽ”探しの旅へと出かけます。
シリアルナンバー入り。

博雅堂出版からのメッセージ

谷川俊太郎先生に初めてお会いしたのはクレーの画集を企画しているときでした。
「クレーの絵にうながされて詩をかいてきた」先生は、「子どものための画集」という主旨に共鳴くださり、詩の使用をご快諾いただいたうえに「推薦のことば」もお寄せくださいました。先生の詩とクレーの絵のみで構成した『黄色い鳥のいる風景』制作時にも貴重なアドバイスを沢山いただきました。先生の温かいご支援は弊社のような小さな出版社にとって大きな励みでした。
先生のご厚情に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。先生のご冥福をお祈りいたします。

博雅堂出版代表

推薦のことば – おはなし名画

谷川俊太郎さんの推薦のことば

クレーの絵を見ていると、いつもふしぎな気持ちにおそわれます。描かれた絵の奥に、限りなく広く深い世界がひろがっているような感じ、それが何かをことばで言うことはむずかしいのですが、少なくともそれは私たちが肉眼で見るものとは違います。もしかするとクレーの絵を見るとき、私たちはクレーという人の心の奥をのぞきこんでいるのではないでしょうか。
そう考えるとクレーという画家が、どんな人間だったかということを知りたくなります。この 『おはなし名画シリーズ クレー』 は、かずかずの絵とともに、クレーの生涯とそのひととなりを、子どもにも分かりやすいことばで語ってくれます。クレーの絵とクレーという人の秘密が、それで解き明かされるわけではありませんが、この本はクレーの世界への、ひいては絵というもののもつ美しさへの、ひとつの入門書としての役割をはたしていると思います。

クレー – おはなし名画

おはなし名画シリーズより

おはなし名画をよむまえに(5) クレーと黄色い鳥のいる風景

おはなし名画をよむまえに(5) クレーと黄色い鳥のいる風景

作・絵: 谷川 俊太郎 出版社: 博雅堂出版

  • 全ページ

ISBN:9784938595487
税込価格:¥1,320

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出版社からの内容紹介

クレーの名画を谷川俊太郎氏のすてきな詩と
ともに楽しむ絵本画集です。
不思議なクレーの絵と谷川さんの詩の世界を
お子さまといっしょにお楽しみください。


おはなし名画シリーズ(14) クレー

おはなし名画シリーズ(14) クレー

監修: 森田 義之 文: 小手鞠 るい 出版社: 博雅堂出版

  • ためしよみ
  • 全ページ

ISBN:9784938595227
税込価格:¥3,520

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出版社からの内容紹介

ヴァイオリニストでもあったクレーは音楽と絵と詩を愛し、『建築と詩が溶け合ったような絵を描く画家になりたい』と旅をかさね、『色にとらえられ、色とひとつになって』、やがて、夢のような不思議な世界を作り出します。本書ではクレーの生涯と42点の作品を大きくて綺麗な印刷で楽しめます。詩人の谷川俊太郎さんの詩も2編掲載されています。

マイクロマガジン社からのメッセージ

谷川俊太郎先生のご逝去に際し謹んで哀悼の意を表します。
沢山の名作をありがとうございました。
先生からお預りした大切な作品を、これからも多くのお子さんたちに伝え続けてまいります。

マイクロマガジン社

マイクロマガジン社から刊行された本

よるのこどものあかるいゆめ

よるのこどものあかるいゆめ

作: 谷川 俊太郎 写真: むらいさち 出版社: マイクロマガジン社

  • ためしよみ
  • 全ページ

ISBN:9784896376180
税込価格:¥1,540

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出版社からの内容紹介

「めを つむってごらん
よるがゆめで あかるいよ
ゆめはゆらゆら ゆれながら
だれかがねるのを まっている」(本文より)

やさしくリズミカルな詩と、
幻想的で鮮やかな写真が織りなす不思議な世界。

体も心もリラックスし、心地よい眠りへと誘う1冊です。
海中をゆっくりと散歩しているような読み心地に、
いつのまにか親子でぐっすり夢の世界へ。

レビューコンテストを実施しました

受賞レビューのご紹介

我が家の寝る前の新習慣

購入した日の夜から毎晩寝る前に子供に読んでいます。

子供が産まれる前から、寝る前に絵本を読んであげたいと想いながら、早5年近く経つ今も結局時間に追われてしたことがありませんでした。
でも、この絵本は発売が告知された時から寝る前の絵本にしようと決めていました。
5年越しです…

うちの4歳と2歳の息子達は大喜びでした!
そして今ではもうこの絵本を見ただけで『ねんねのえほん』と教えてくれます。

2歳の息子は写真に興味深々。
ページをめくる度に、「ドリー!」「二モ!」「クリオネ!」と大はしゃぎ!!
生き物が写っていないページでも海の中の綺麗な世界に見入っています。
むらいさちさんのすてきな色の写真が彼の心に響くようです。

4歳の息子は次男同様写真でも大興奮しながら、言葉の響きを楽しんでいます。
『めをつぶって・・・』と読むと長男も目をつぶります。
まだ読んで数回の時から既に少しずつですが暗唱しています。
谷川俊太郎さんの詩のリズム感が心地良いようです。

そしてもちろん3●歳の私も大喜びです。
むらいさちさんのステキな写真に谷川俊太郎さんのステキな詩。
あえて実物を見るまで試し読みはしませんでしたが、やっぱり実物を待って良かったと思いました。
このページをめくるドキドキ感、たまりません!!
カバーがリバーシブルなところ、表紙とカバー写真が違うところも気に入っています。

そして、子供たちは一番最後にある『おやすみ たいそう』をしてから寝ます。
長男はそのまますうすう、次男はしばらくテンションが上がってしまいます。
準備のページも「ごはんはたべましたか?」「はーい!」と元気良く返事をしてくれます。

こんなステキな絵本に子供たちを出会わせることが出来てよかったと思いました。
そしていつか息子たちが大きくなったときにも、今私がしているように、彼らの子供達にも同じように読んであげてほしいな、と思いました。(きたしゃんさん)