『あっちゃんあがつく たべものあいうえお』(リーブル)をはじめとする賑やかでおいしそうな食べ物絵本シリーズが人気のさいとうしのぶさん。このたび、シリーズ2作目の作品『しりとりしましょ! たべものあいうえお』(リーブル)を大型絵巻で楽しく紹介できる、『しりとりしましょ! 巻物えほんキット』(リーブル)が出来上がりました。以前から、さいとうさんがおはなし会などで自作の巻物を披露していたところ、「一般販売してほしい」と熱い要望があり、ついに販売されることになったとか。話題の「巻物えほん」を実演していただきながらご紹介します。
3ページ目では、ちょうどアトリエに遊びに来ていた、さいとうさんの姪っ子さん「はるさん」も登場。『しりとりしましょ! たべものあいうえお』制作当時のエピソードも飛び出しました。どうぞお楽しみください。
箱の中に、絵本『しりとりしましょ!』のはじめの10見開きが拡大されて各1枚ずつと、両脇に糊付けする段ボール製の芯が2本と、説明書がはいっています。取り出して、説明書の通りに貼り付けて使用します。子どもたち同士でも、大人が子どもたちと遊ぶとき、読み聞かせ会などのときなどに、便利です。
キットの箱の中にはこんなものが入っています! 10枚の絵と、段ボール製の芯、説明書
●待望の「巻物えほんキット」!
───『しりとりしましょ! 巻物えほんキット』の細長い箱を開けると、中には、縦30cm×横80cmの紙に、『しりとりしましょ! たべものあいうえお』見開き2ページ分を印刷した紙が10枚入っています。これを両面テープで順番通りに貼り合わせ、両端に芯の紙筒を取り付ければ……なんと全長8メートルにもなる大型巻物絵本のできあがり! 素敵なアイディアのキットですね。
このキットができて本当に嬉しいです。絵本が小さくて、大人数に読み聞かせをするときに見えにくいので、ずっと自分で作った拡大コピーの巻物を持って歩いていました。あちこちで実演すると喜ばれるんですよ。「これ欲しいわあ~」っていっぱい言われて、長年編集者さんにお願いしていたら、ついに作ってくださったんですよ。
完成するとこんな感じ!
───待望の「巻物えほんキット」だったのですね。おはなし会で喜ばれそう!
でも絵本のようにたくさん売れるものではないし、ちょっとだけ作ってもらって、私の講演会で販売しましょうか、と申し出ていたんですが……。このキットの評判がすごくいいみたいなんです。この間も本屋さんで、最後の1つをふつうのお子さん連れのお母さんが買ってくださっていました。「家で作って使ってくれるの!?」とびっくりして嬉しくて(笑)。実際、紙を貼り合わせていくのは大変に見えるかもしれないけど、ちょっと失敗しても裏側がコーティングしてあるのでテープをはがしやすいんですよ。
───私も一度はがしましたが、うまく貼り直せました。1人でも作れますし、何人かで集まってワイワイ作るのもいいですよね。完成した8メートルの巻物は感動もので、さっそく実演してみたくなります! 絵本ナビのサイトにも「巻物えほんキット」を組み立てて実演した方から、こんなレビューを投稿いただいています。
【おはなし会にぴったり!】(kimiegangiさん 50代・せんせい)
お話サークルや幼稚園、保育所などにおすすめです!! デイサービスでは、お年寄りの皆さんが頭の体操をしながら楽しく一緒に読んでくれました。最後まで読み終えたら、始めに巻き戻しておかなければいけません。その場で、長く伸ばして見せても大喜びされますが、逆さましりとり(頭とり?)で、何が出てきたか振り返りながら初めに戻る方法もあります。作って楽しい!伸ばしてびっくり!読んで頭の体操!工夫次第でいくらでも楽しめるキットです。
【動画URL】https://www.youtube.com/watch?v=4IBlunhgJes
実演するときは左右の筒をキッチンペーパースタンドなどに立てて、くるくる回すといいですよ。2人で読むときは、繰り出しと、巻き取りを、分担するといいと思います。1人でやるならどちらかの筒が固定されていたほうがいいかな。私がおはなし会で実演するときは、父が作ってくれた巻物用の装置を使っています。
試しにやってみましょうか。「しりとりしましょ はじめは『あ』」からはじまりますよ。実演のときは、歌を歌って、掛け合いをするんです。(さいとう)「アイスクリーム♪ はい!」(お客さん)「アイスクリーム♪」みたいな感じで。いきますよー、はい!♪
さいとう :しりとりしましょ! はじめは「あ」。アイスクリーム♪
取材スタッフ:アイスクリーム♪
さいとう :むーぎーちゃ♪
取材スタッフ:むーぎーちゃ♪
さいとう :やきいーも♪
取材スタッフ:やきいーも♪
さいとう :もち、ちゃわんむし、しゅうまい……ときて、しりとりしましょ! おつぎは「い」。いーちーご♪
取材スタッフ:いーちーご♪
絵本『しりとりしましょ! たべものあいうえお』巻末の楽譜より
こんな感じですね(笑)。最後の「こ」で、ころっけ、けちゃっぷ、ぷりん……語尾に「ん」がついて“しりとり番犬”が来ます。“しりとり番犬”は、「ん」がつく食べ物を見張っている犬です。絵本には何度か登場するんですよ。
「しりとりしましょ おつぎは『き』」
きんたろうあめ♪ めんたいこ♪
「おつぎは『こ』」ころっけ、けちゃっぷ、ぷりん…!?
「ん」が出て、“しりとり番犬”が登場!
───くるくる巻き取られて、新しい絵が出てくるのが楽しいですね~。この装置は、さいとうさんのお父さんが作られたということですが、いつ頃からこれで実演されているんですか?
『しりとりしましょ! たべものあいうえお』が出版されてすぐの頃からなので、もう13年くらい前からですね。はじめは、お酒が入っていた木箱で父が作ってくれました。左右に棒が立てられるようになっていて、自作の巻物を左右の棒にひっかけて実演していました。そのうち木箱がこわれて、現在の折りたたみ式のものを作ってくれたんですよ。