竜に呼ばれた10歳のミアは、王宮で生きる覚悟を決めた…。「霧のむこうのふしぎな町」筆者と、数々の児童文学の挿絵や表紙を手掛けてきた画家による、珠玉のファンタジー。朝日小学生新聞の人気連載を書籍化。
本の作りは、少し前でいうと小学校の中学年くらいのお子さんを意識して作ってあるタイプです。
(低学年ほど字のスペースを大きくとっていないけれど、比較的1ページの文字数が少ない)
柏葉さんの作品は大好きでほとんど網羅していますが、今回のおはなしもまた、よかったです。
途中、竜と冒険に出るあたりから、1巻で終わるのかしら?もしかしたらいいところで「続く」なんてなっていないかしら?と、心配になってきたくらい、物語が膨らんでいったのに1巻だけで終わりました。
(少なくとも、竜に王宮へ連れてこられた《ミア(主人公)》が、その新しい場所で生きていこうとするところで気持ち良く終わりました。
柏葉さんの作品のものすごく好きなところは、1つの物語がだらだら長くないことです。
とても大切なところだけをしっかりピックアップして読者に見せてくれているので、読んでいて話があちこちに飛ばないし、伏線がきちんと織り込まれているから、物事が結末に近づいてくると全てがあるがままの場所にスーッとおさまっていくような感じで、安心して読めます。
しかも!今回の挿絵は佐竹美穂さんです!!
今まで、どちらかというと柏葉さんの物語のイラストはほわ〜っと優しい印象の絵描きさんが手掛けることが多かったのですが、佐竹さんの繊細なのに力強い線のキャラクターたちが動き回るのもなかなかおつでございました。
本好きなら、小学校の4年生くらいから中学生、高校生のお子さんまで、面白いからぜひ!!読んでみてください。
女の子の冒険ものが好きな人には特にお薦めです。
(てんぐざるさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子13歳)
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