もうどう犬のバロンは、目の不自由なお父さんと何年も一緒に過ごしてきました。バロンにとって、お父さんの役に立てることが何よりも幸せでした。ところが、年をとってきたバロンは、最近思うように体が動かなくなり、失敗をするようになりました。そして、ついにバロンは、もうどう犬としての役目を終えて、お父さんと離れることになってしまいました。 新しい家族に引き取られたバロン。ところが、バロンは新しい家族に馴染めず、何もやる気が起きません。小学生のみきちゃんに誘われて散歩にでかけても、転ばせてけがをさせてしまいます。もう誰の役にも立てないと思ったバロンは、すっかり落ち込んでしまいました。そんなある日、家族と一緒にピクニックに出かけたバロンに、思いもよらない出来事が起こり……。 新しい家族と再出発するリタイア犬の心の機微を、丁寧な筆致で描いています。誰かの役に立つこと、人を思いやることの大切さを伝えます。
盲導犬の引退後の生活を描いたお話です。
これまではパートナーを助けてる生活をしていたのに、普通の犬になってもいいよ、と言われてもなかなか習慣を変えられるものではないだろうなぁ・・・と、バロンの戸惑いが痛いほど感じられました。
アニマルセラピーの犬として活動することが出来れば、盲導犬ももしかしたら幸せなのかもしれない・・・と思いながら読んでいましたが、読み進めているうちに、「新しい家族に寄り添う」のも、立派な役目なのだと感じました。 (hime59153さん 40代・ママ 男の子7歳)
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