病に苦しみ、耳が聞こえなくなっても、最後まで作曲を続け、300曲以上の作品を残した偉大な作曲家ベートーヴェン。その死の床で、音楽を志す少年が形見として切り取ったベートーヴェンの髪の房が、約170年ものあいだ数奇な運命をたどり、ベートーヴェンの熱心なファンである二人のアメリカ人の手に渡った。二人は最新の科学を駆使してその遺髪を調べることで、ベートーヴェンの長年の病気の原因や、知られざる真実を探ろうと考えた。 本書は、ベートーヴェンの生涯をたどりながら、遺髪がアメリカにやってくるまでの道すじと、遺髪の科学調査の過程を追った、YA世代に贈るノンフィクション物語。2000年にアメリカで大人向けのノンフィクションとして発刊され、ベストセラーとなった『ベートーヴェンの遺髪』(日本語版は白水社から2001年に発刊)には収録されていなかった貴重なイラストや写真を多数加え、よりわかりやすく面白くなっています。
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