寺村輝夫・作(「王さまシリーズ」ほか)×北田卓史・絵(「チョコレート戦争」ほか)によるどこかふしぎで、おかしな物語がついに読める!「小学校の時に何度も図書館から借りて読んだ」と、多くの復刊リクエストも寄せられた名作「ゆめの中でピストル」が復刊! ▼内容(あらすじ) 37歳、バオバブ・ブックス編集長のマチムラユキオは風邪を引いて薬を飲んで寝ていたら、ピストルを作る夢をみた。 夢からさめたとたん、小人みたいな人が現れて、パトカーに乗せられ着いたところで、ユキオはゆめの人間「モドコ」にされてしまう。 モドコとして「いい夢を見せる」「夢をかなえる」仕事をすることになったものの、そんなものに喜ぶのは大人ばかり、子どもは一向に喰いつかない。 果たしてユキオは元の世界に戻れるのか…。
▼本文あとがきより ゆめは、かってにつっ走ります。 そして、自分の思っても見ない方角に、つっ走ることがあります。人生、ゆめを見ることはたいせつだ、といわれます。近頃の子どもは、ゆめがない、などともいわれます。が、だからといって、ゆめのおしうりはいけません。子どもにゆめを与えよう、などと。考えている大人がいるのは、こまりものです。どんなにこまりものであるか、わたしは、それを物語に書いてみました。そして、とうとう、銃身をぎゃくにつけたピストルを、だがーん、とうったような物語になりました。
チョコレート戦争が面白く、同じ絵だと手に取ったのですが、作者の寺村さんも私が好きな作家さんの一人で読む気がアップしました。
妻子ある男性が主役。大人が主人公なんて珍しいなと思ってしまいましたが、ぼくは王さまシリーズの主人公王さまも大人…か(笑)。
モドコになった主人公が子供たちに夢を見させようと奮闘しますが…。
いくらでもおこづかいをくれる銀行等のアイディアは私もいい!と感じてしまいましたが、なかなかそう単純なものでなく大人が怪しむからと子供の利用者がいなかったり、親が子供にたくさん借りてこい!と言ってとりあげたり、けっこう現実的なお話でした。
子供たちの言う夢が親の夢(期待)だったり、作者の皮肉を感じ、現在親となった私はドキリとしてしまいました。 (みちんさんさん 30代・ママ 女の子3歳、女の子1歳)
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