自分の中の「子ども」の部分を引っ張りだして描く――
起承転結のないストーリーに、プロが描いたとは思えない絵。 大人の常識にしばられず、子どものように自由に考え、描くのが「荒井良二の絵本づくり」だ。 折れた色鉛筆の芯を使ったり、絵の具を指で塗りたくったり……。 型破りな創作術に、100冊以上の絵本を生み出してなお、尽きることのないイマジネーション。その秘密は、自分の中の「子ども」の部分にあった。 日本を代表する絵本作家が自らの個人史にも立ち返りながら、 子どもから大人までを魅了してやまない、創作と発想の核心について記す。
絵本を読む、絵を見るまでは楽しくても私の中では絵を描くというのは、結構ハードルが高いように思っていました。
この荒井さんの本を読んで、輪郭を描くとか物を正確にスケッチするということにとらわれなくても自由に描きたいままに描いてもいいのかなっていう気持ちになりました。
荒井さんのこれまでの軌跡と、絵本観について描かれた本です。創作の時の方法も紹介されていて、これから絵本作家を目指す方にも参考になりそうだと思いました。
創作には関係ありませんが、大学受験の時の受験票が載っていたこと、随分物持ちがいい方なんだなあって、変なところで感心してしまいました。
「言葉のリズムを重視します」というところでは『ねんどろん』という絵本のことを思い出しました。声に出して読むと、ラップのような心地のよいリズム感がある絵本だからです。
この本を読んで、もう一度荒井さんの作品を読み返してみたくなりました。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子12歳)
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