あたしが失くしたのは、おはなしでした ゆめみの駅の遺失物係には、失くした「おはなし」が届けられる。 探している物語は、ここにあるのかもしれない。
「拾われて届けられた物語は、ぜんぶここに保管してあります」 あたしは、椅子にかしこまってうなずきました。 ぺらぺらと紙をめくっている音がします。 「おたずねしますが、失くした物語はどんな種類でしたか」 「短いおはなし、だった気がします」 (本文より)
――遺失物係が読んでくれるおはなしは、 あたたかくてちょっぴりほろ苦い。 何度でも読みたくなる、ふしぎな味わいの物語。
あたしはがっかりするのには、慣れています。
立ち直るこつも知っています。
それ以上望まなければいい、、、。
こんな風に考えていた少女のおはなしです。
あたたかなストーブのある部屋に通って
拾得物語台帳にあるちいさなお話を読み聞かせてもらった
一週間が描かれています。
最初の女の子と石のお話、日曜日の海から来たお話が印象的でした。 (capellaさん 60代・じいじ・ばあば )
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