「ともだちなんて、いらない」 「もう、ひとりに なりたい」
友だちとけんかしてしまった日、女の子は家で泣いていました。 すると、部屋に見たことのない小さな水色の扉に気づきます。 扉を開いてのぞきこむと、あら大変! 扉の向こう側に吸い込まれてしまいました。 気づくと、気持ち良さそうなふわふわの汽車にのっています。 窓の外の景色もふわふわ。 女の子が迷いこんだ世界は、綿菓子のようにすべてが ふわふわしている雲の世界だったのです。
汽車からおりると、ふわふわのかわいい女の子がいました。 「おともだちが、いないなら わたしが おともだちに なってあげる。」 その子の名前は「もふも」ちゃん。真っ赤な大きなリボンをつけています。 もふもちゃんは、女の子を楽しませようとふわふわの世界を案内してくれるのですが・・・。
友だちとけんかしちゃった日は、何をやっても素直になれません。 本当は楽しかったり、美味しかったり、嬉しかったりしても、そんな簡単にその感情を認めることはできないのです。でも、もふもちゃんが自分のおともだちを連れてきたとき、女の子は一番自分の大切な気持ちに気づきます。
第一回ポプラ社キャラクター大賞受賞作が絵本になった今作は、こんなお友だちがいたらいいなぁと考えた小学校2年生(受賞当時)の女の子のキャラクターが原作になっています。等身大の女の子が考えた雲のおともだち、もふもちゃんは絵本の中の女の子の心もほぐしてくれたようです。
お友だちとけんかしちゃったあの子に読んであげたいです。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
第一回ポプラ社 キャラクターター賞、大賞受賞作が待望の絵本化。キャラクター原作は、現在小学校2年生の女の子で、こんなお友達がいたらいいな、という発想から生まれた、雲の女の子もふもちゃんが、主人公です。おともだしとけんかをして、もう友達なんていらないと思っている女の子が、お部屋で泣いていると、見慣れた自分の部屋の片隅に、見慣れない小さな扉を見つけます。その扉を開けたとたん、シュッと吸い込まれて、気がつけば雲の世界。そこには、お友達になってあげるという、雲の女の子が待っていました。最初は、むすっとしていた女の子ですが、もふもちゃんといっしょに過ごしていると、だんだん友達のことを思い出してきて…。大切な人と、けんかをした後に、読みたい一冊です。
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