アーロン・ベッカーさんの文字のない絵本『ジャーニー 女の子とまほうのマーカー』から2年の時を経て、さらなる大冒険の続編が届きました!
前作で、赤い魔法のマーカーを手に入れた主人公の「わたし」が出会ったのは、紫色の魔法のマーカーを持つかけがえのない友だち。ふたりが主人公となる今作では、それぞれが潜在能力を思う存分発揮して抜群のチームワークを見せてくれます。不思議の世界でふたりを待ち構えていたのは、襲撃されている謎の王国。そして、敵に捕まる前に王様から手渡された虹色の地図とオレンジ色のマーカー。その地図の上には、6色の小さなサークルをつなげた虹色の大きなサークルが描かれています。赤のサークルには前作でわたしが迷い込んだ森、紫のサークルには友だちを見つけたやしの木、オレンジのサークルには謎の王国が・・・。 二人は、地図に隠された謎を解きながら、時には魔法のマーカーで大イカを描き海底へ向かい、巨大なトンボを描いて天空を目指します。その時のふたりの連携プレーの見事なこと! ふたりはこの謎を解いて、王様や王国を救うことができるのでしょうか。手に汗握る大冒険は、ジャーニーから見事にクエストへと昇華し、ふたりが力を合わせることが、こんなにも素晴らしいドラマを生むのかと余韻が残ります。
新しい絵本のジャンルを確立したアーロン・ベッカーさんは、アメリカのアニメや映画界で大活躍中のイラストレーターです。この絵本は二作目。今後も文字のない絵本を描き続けていくのか、どのような作品を生み出してくれるのか、次回作が気になる期待の絵本作家さんです。
子どもにも大人にも、勇気と希望、とめどなく溢れる想像力の源を与えてくれる一冊です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
本書は、2013年11月に刊行された、『ジャーニー 女の子とまほうのマーカー』の続編にあたる1冊です。前作の『ジャーニー』は、その詩情と美しく多彩なイマジネーションがアメリカで高い評価を受け、瞬く間に児童書のベストセラーになり、各書評でも絶賛、コルデコット賞オナーブックも受賞しています。 続編となる本作も、前作同様、文字は一切入っておらず、その幻想的なイラストレーションのみでストーリーが展開していきます。主人公は、前作にも登場した女の子と、物語の最後に出会った男の子。描いたものが実在にあらわれる、まほうのマーカーをもつ二人が、奇妙な王さまに謎の地図を託されるところから、物語は始まっていきます。 海底に存在する謎の遺跡への潜入、地図をねらう兵士との緊迫した駆け引きなど、次々に起こるピンチをくぐり抜け、二人が目にしたものは……? ダイナミックで迫力ある構図、細部まで行き届いた風景、息をつかせぬ展開など、子どもも大人も楽しめる1冊です。
描いたものが本物になる魔法のペンを持つ少女と少年の冒険の物語。困っている王様から地図をたくされた二人は、追ってから逃げながら目的を達成していき、最後は平和が訪れます。
文字がないので、いろんな想像をしながら読める本です。何度も、そしてゆっくり眺めたくなります。前作がおもしろかったので読んでみました。前作よりスケールが大きくなった感じがあります。5歳児には前作の方がわかりやすかったかもしれません。
続きの「リターン」も出ているようなので読んでみたいです。これから読む方は順番に読むのをおすすめします。 (じっこさん 30代・ママ 女の子5歳、男の子1歳)
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