「歌」「食べもの」「遊び」の3つの切り口で、年間行事を楽しめるようにつくられた決定版。 見た目は分厚い図鑑タイプですが、「行事のえほん」と題するだけあって、フルカラーのイラストや写真が画面いっぱいに並んでいるのが特徴です。
たとえば3月のひなまつり。 <うたってみよう>は、「うれしいひなまつり」歌詞(巻末に楽譜あり)。 <食べもの つくってみよう>は、「ひなまつりの手まりずし」。 <工作 つくってみよう>は、紙コップや千代紙で作るおひな様。 どれも気軽にチャレンジできそうなものばかりです。 もちろん由来やまめ知識も充実。むかしは紙の人形を川や海に流していたことや、鳥取県で今も「流しびな」の風習が残っていることも知ることができます。 本書を見たわが家の子どもたち、さっそく<うたってみよう>の歌詞を見ながら、大声で楽しそうに行事の歌を歌っていました。
個人的に最もわくわくしたのは、<つくってみよう>の工作とお料理ページです。 かんたんなのに、見た目が「おおっ」と思うほど可愛いものがそろっています。 「つくってみたくなる」こと請け合い!
5月の端午の節句は、新聞紙かぶとに、こいのぼりパンケーキとかしわもち。 9月は、はねるバッタくんの工作に、おつきみスイーツのうさぎ大福。 新谷尚紀さん、井桁容子さん、お二人の監修者ならではの、押さえるべきポイントが押さえられた『12か月の行事のえほん』は、行事を「五感で味わう」あらたな定番本となりそう。 わくわくしながら行事を楽しんだ記憶は、幼い子の心に根を張り、きっと一生の栄養になります。 おうちでこの本を見ながら、いろいろやってみたくなっちゃいますよ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
お正月や節分、ひなまつり、端午の節句などの行事には、どんな由来があるのでしょうか。 行事を楽しむことは、季節の変化を楽しむことでもあり、災厄を払い、子どもの健やかな成長を願うという意味が込められています。 その長い間親しまれてきた日本の行事を中心に、幼稚園や保育園などで親しみのあるクリスマスやハロウィンなども加えて、1年の行事を1冊にまとめました。お子さまといっしょに楽しめるように、歌や工作のページ、親子で一緒に料理を作るページをもうけております。絵を見ながら親子一緒に歌うことができるように、美しい絵とひらがなの表記で、歌詞を紹介しました。全曲分の楽譜も添えております。 親子で体験する行事の一日が、お子さまのすこやかな心を豊かに育むことを願って編みました。
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