大地を耕し、土を作り、そして他の生き物の食料になるなど、私たちにとってかけがえのない生き物ミミズ。本書では、ミミズを研究する著者が、ミミズの生態の謎、光るミミズの正体をさぐる。
著者の柴田さんは、通勤とちゅうの道端で干からびているたくさんのミミズを見て好奇心を刺激され、地道に観察を重ねてきて分かったことを、この本にまとめたそうです。
著者経歴を見ても、たいしたことは書いておらず、いったって普通の会社員(技術系公務員さんのようですが)で、特に大学の研修者というのではないようです。
ですが、言葉の使い方・表現の仕方がとても分かりやすくて、読みやすかったです。
観察したデータや分析の結果も、適度に図や写真、票などで上げてくれているので、状況や結果がよくわかりました。
図書館の新館コーナーに置いてあって、なんとなく目を惹いたので借りてきたのですが、「ミミズ」の観察&研究がこんなに興味深いものだとは思いませんでした。
特にすごいなぁと思ったのは、観察していくうちにちょっとでも疑問に思ったことは徹底的に調べて、場所を変えたり過去の書物をあさったりしてより正確な【答】を見つけようと努力してるところで、
しかも、そこでわかった結果【答】を(断定できない場合は“仮説”として)きちんとまとめてくれているところです。
例えば、「ミミズって鳴くの?」では、田舎の草むらで聞いた『ジージー』という鳴き声は「ミミズ」だったのだろうか?という事を検証しています。
著者の真摯な態度とミミズに対する熱意(愛)を感じました。
表紙絵には小学校の中学年くらいの男の子が書かれています。
なので、出版社さんからのこの本の対象は、小学校の4,5年生くらいから高学年くらいでしょうか?
もちろん、興味があればそのくらいのお子さんから十分読める内容だと、私も実際に読んでみて思いました。
ただ、小学生くらいのお子さんたちだけでなく、生物に興味のある方なら中学生・高校生。大人だって、十分楽しく読めるミミズの話がたくさん載っていました。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子16歳)
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