小学校一年の夏にプールで溺れそうになったときに、プールの底でイルカの目を見た蒼。それ以来、蒼の心の中に一頭のイルカがすみ始めた。イルカはいつも蒼の心に静かによりそっていたが、不思議な森の中でしずくの形をした置物を見てから自分の意思で動きだして……。自分の本当の居場所を追究し、彫刻家との出会いを通して成長する少年・蒼のひと夏を爽やかに描いた感動作。
この作品は、作者の長崎夏海さんが、水の彫刻家・薬師寺一彦氏の体験、作品からイメージを膨らませ、自分と向き合い、成長していく少年・蒼のひと夏の物語として書き上げたた感動作です。海を愛し、感謝している長崎さんならではのメッセージが、読後、清々しく胸に響きます。 長崎さんとの黄金コンビである画家・佐藤真紀子さんが、水の表情や躍動感あふれるイルカ、少年たちの心の機微を豊かな筆致で描いてくださいました。
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