バナナくんは5人家族。 おとうさん、おかあさん、バナナくん、それからおじいちゃんとおばあちゃん。
おとうさんとおかあさんは黄色いバナナ。 バナナくんはまだ青い、緑色。 おじいちゃんとおばあちゃんは、ちょっと茶色い模様が浮き出たバナナです。
ある日おむかいのバナエさんが、おばあちゃんに言います。 「あらあら、あなたじゅくしてきたわね」 おばあちゃんは「まあ、それはおたがいさまよ」と笑います。 そう! バナナは熟してくると茶色っぽい模様がでてきて、皮がやわらかくなってくるんですね。 さて、ある日、バナナの皮につるっとすべって転んだバナナくん。 どうやらおじいちゃんが脱いだ皮のようですが……。 おじいちゃんはどこ? あれ、おばあちゃんもいない!?
家のお風呂場や冷凍庫から、変身したおじいちゃんとおばあちゃんが登場する場面にびっくり。 この絵本を読むと、バナナってこんなにたくさんの美味しそうなものに変身できるのね!とわくわくしちゃう。 バナナスイーツのページに、もうくぎづけです。 どのおやつも美味しそう!
年をとっていい色になって、熟してあまーくなって……。 どんな完熟バナナになって変身しようかしら……。 そう考えると熟していく人生もわるくない! ユーモラスで美味しそうな、子どもたちが大好きなバナナの絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
ある日のこと、バナナくんは、バナナの皮を踏んで転んでしまいました。「だれ? 皮を脱ぎっぱなしにしたのは」すると、「はーい!」皮を脱いだおじいちゃんが、チョコバナナに変身して現れました。続いて「はーい!」おばあちゃんも皮を脱いで、冷凍バナナになって登場。これから、パーティーに出るんだって。バナナくんがついていくと…
主人公のバナナくんは、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんの5人家族です。
バナナの世界は熟してからが本番で、皮に茶色いシミができればできるほど良いのです。
ある昼下がり、廊下におじいちゃんの皮が落ちていました。
おじいちゃんは、お風呂場で、ザバー、サバー。
出てきたおじいちゃんは、なんと!
チョコバナナになっていました。
人間の世界では老いをマイナスに受けとめがちだけれど、バナナの世界では、素晴らしいことのようです。
皮にできたシミは、熟した証。
熟してからが、人生の本番。
現に、チョコバナナになったおじいちゃんは、明るくはつらつとしています。
この絵本を読み終えたお子さんは、おじいちゃんおばあちゃんを見る目が変わりそうです。
そしてもしおじいちゃんおばあちゃんもこの絵本を読んだら、これからの日々を、より積極的により明るく過ごしそうです。 (めむたんさん 40代・ママ 男の子19歳)
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