90年代から2000年代へ、社会はますます生きにくさを深めてきたように思えます。 -中略- 「明日」が見つからないことは絶望ではありません。作品の子どもたちは、「明日」の代わりに、別の、彼らなりに大切なものを見つけているからです。 それは、どんなに社会が変わってしまっても変わらないもの。たとえば、「風」や「音」といった身体から心に伝わる感覚です。-中略-いろいろな「風」や「雨」、「音楽」や「音」が大切な場面に描かれていて、ドキドキしたり、ほろっとしたりと、読者の心を揺らします。そうした読者も共有できる感覚を呼び覚まされることが、日常物語のもうひとつのだいご味です。(解説より)
<収録作品>
長崎夏海「Little Star」「フォールディングナイフ」 伊沢由美子「走りぬけて、風」 あさのあつこ「ぼくらの足音」 越水利江子「あの日のラヴソング」
1冊に4つの物語が書かれた本です。
小学校高学年くらいの読書にもぴったりに思いました。
誰にもあるようか感覚にどこか共感を覚えたり、キュンとしたりほろっとしたり、そんな物語たちです。
子供だけでなく大人が読むのにもいいかも知れません。
穏やかな日常のありがたさを感じながら。 (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子9歳)
|