ああ、ボールがこっちに飛んできた。 オーライ、オーライ、
「ぼくに まかせて!」
この一瞬。 自信と不安、負けたくない気持ちと緊張感。 さまざまな気持ちが入り混ざり、見え隠れする映像は…?
主人公は、草野球をする様子をフェンス越しに眺めていた少年。何とか仲間に入れてもらおうと掛け合ってみると、外野を任される。すると、バッターの打ったボールが空高く上がり、少年のところに飛んできて…。
みんなが自分を見ている。期待と不安が込められた目で見ている。もし、足もとを木の根っこに邪魔をされたら…あと少しのところでボールに届かなかったら…みんなのがっかりする姿が見える。いやいや、ボールまであと少しで届く。でももし、大きな木がいきなり生えてきて、僕の行く手を阻んだら…。
さらにプレッシャーが大きなボールに姿を変え、いつのまに他の子たちも追いかけ始め、自分がどんどん小さな姿になり……それでも、それでも!
確かにこれは特別な瞬間。 一度でも野球をやった事があるのなら。 もしくは、我が子の野球を応援したことがあったなら。 その一瞬の長さがよくわかる。
ほとんど文字がなく、コマ割りの手法も取り入れながら、絵だけで少年の心理を見事に描いているのは、コールデコット賞作家デイヴィッド・ウィーズナー。晴れ渡った青く爽やかな空を背景に、楽しくも真剣な場所である子どもたちの時間を共有してくれます。
大人になっても思い出す、忘れられないあの「一瞬」。 私にもあっただろうか…。 親子で思い出しながら、この物語を味わってくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
草野球の仲間に入れてもらった男の子。 ボールが飛んできた、ぼくにまかせて! オーライ、オーライ……ところが、ボールはグラブの外へ。 あーあ。まわりからため息が聞こえる。 ドンマイ、今度こそ!でも…… プレッシャーが大きなボールにすがたをかえて襲ってくる。 みんなのすがたも大きく見える。 少年の心理を見事に描いた、 コールデコット賞作家デイヴィッド・ウィーズナーの 文字なしコマ割り絵本。
「漂流物」や「かようびのよる」のデイヴィッド・ウィーズナーの作品ということで、興味を持ちました。
こちらも、文字は「ぼくにまかせて!」と「やったー」のみ。
それでも、ドラマをしっかり感じることのできる絵本です。
草野球の少年チームに参加する男の子。
エラーしても、果敢に挑戦し続け、最後にはチームに溶け込む姿が素敵でした。
(クッチーナママさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子13歳、男の子10歳)
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