東日本大震災によって被災地域の人々が失ったものは、 人のいのち、住まい、仕事、日々の暮らしだけではありません。 「地域のつながり」もまた、そうでした。 震災後の仮設住宅暮らしは地域を分断し、復興の遅れは、多くの人の離村を招きました。中には、戻りたくても戻れずに亡くなる人もいました。 それでも、とぎれかけた人と人・集落のつながりを取り戻そうという動きが出あります。 そのひとつが「盆野球」です。震災前までずっと続いていた、お盆のイベント、岩手県釜石市鵜住居地区の「盆野球」。鵜住居地区は、津波で、ほとんどの住宅が流されてしまった地区です。 この地区の盆野球の復活を描いたのが、この絵本です。 お盆は、亡くなられた方がたを迎えるとき。 復活した盆野球は、震災で亡くなったひとたちと、いまを生きているものとの交信の場でもあるのです。それぞれのひとが、大切な人と一緒に白球を追う。それが、盆野球なのです。
長谷川義史さんのユーモラスなイラストに惹かれ、手に取りました。
2011年の津波に襲われ、大きな被害を受けた岩手県釜石市。人々は生活を立ち直すだけで精一杯となり、戦後ずっとお盆の時期に行っていた野球大会を中止していたそうです。
2017年、「ぼんやきゅう」を再開して地域を復興させようと、お父さんたちが立ち上がります。
がんばれ!と応援したくなる素敵なお話でした。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子15歳、男の子12歳)
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