おもいでが わたしをあたためてくれる
おひさまのように。
大人になっても、年を重ねても、ずっと、自分のために大切にしたい一冊。
ゴフスタイン「最期のことば」を収録し、追悼の意を込めて復刊します。
90歳になるおばあちゃんが、子供の頃にお父さんが作ってくれたノアの方舟と木の人形と、動物たちを大切にしています。おばあちゃんは今でもそれを作ったときのお父さんの声をはっきりおぼえていて、すっかり塗料のはげてしまった木の動物たちを宝物にしています。
旧約聖書にテーマを借りて、年をとった人も、ずっと前は子供だったことを、ユーモラスに伝えています。このおばあちゃんも、そしてノア自身も心はいつだって若いときと同じなのです。方舟には大切な思い出がいっぱい詰まっていて、いつも心をあたためてくれるのです。
M.B.ゴフスタインは、様々な手法で絵本を作ってきました。この本のように、ほとんど線だけで描いたものや、パステルを使ったもの、そして自分で人形を作って撮影したものまで、いろいろあります。美術学校で教えていたので、一緒に仕事をしている学生たちの影響を受けて、手法を変えることもありました。
「とことんまで描いて描いて、ついにはなんだか自然に簡単に描けてしまったような気がするまで描くこと。」生前、ゴフスタインはそう語っていましたが、彼女の絵本はどれもそういう感じを抱かせるのです。
M.B.ゴフスタインの絵本とは大人になってから出合いました。
どれも大好きな作品ばかりですが、特にこちらは、これからもなんども手にしたいたからもの絵本です。
1人のおばあちゃんが、幼い頃にお父さんが手作りしてくれたノアの方舟を見つめながら、昔を振り返る物語。
嬉しかったこと、悲しかったこと。
人生のたくさんの思い出を乗せたはこぶねは、陽の光のように、おばあちゃんの心を温めてくれます。
復刻版には、「最期のことば」も収録されています。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子13歳、男の子11歳)
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