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ママの小さなたからもの

ママの小さなたからもの

  • 絵本
著: アストリッド・デボルド
絵: ポーリーン・マルタン
訳: 辻 仁成
出版社: 早川書房

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税込価格: ¥1,540

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作品情報

発行日: 2019年03月30日
ISBN: 9784152098511

A4判変型上製/40ページ

みどころ

「息子はかわいい。」

男の子を育てているママたちの頭の中をざっくり言うと、だいたいこんな感じ。だけど、これじゃあ足りないのです。どれだけかわいくて、どれだけ愛しているか。なかなか面と向かって言う機会は与えられてないけれど……この絵本を読むなら、ね。きみにも伝わるかな。

お話は、おやすみの時間に、ぼうやがママにぎゅーっとされながら質問するところから始まります。

「ねえ、ママ。
 ママはずっとぼくのこと好きでいきてくれる?」

そこでママは言います。
「じゃあ、こっそり秘密をおしえてあげるわ」

ママがぼうやのことを愛しているのは出会った時から。いや、会う前からずっと。愛されているってわかるでしょ? そうじゃないかもってきみが感じている時だって、きみがなさけない時だって、ケンカしている時だって……。

展開されるのは、めくるめく母と息子の蜜月の世界。ぼうやが「いい子」の時、「わるい子」の時。ぼうやが「素直」な時、「自分勝手」な時。ぼうやが「頼もしい」時、「まだまだぼうやな」時。左と右のページで絵を比較しながら、でもずっとママの気持ちは変わらないことを伝えていきます。

フランス生まれで世界18カ国語に翻訳されたベストセラーのこの絵本。とにかくぼうやの表情や動きが愛らしく、ママの姿もどこか洗練されていて素敵。フランスらしい独特な色彩も目を引きます。そして、日本語に訳してくれているのは作家・辻仁成。シンプルな言葉の中に、リアルな感情が見え隠れするのは、ママの気持ちがわかるから!?

そこには甘いだけじゃない、楽しいだけじゃない、子育ての大変さが伝わってくる場面もあったり。時にはお互いに存在を忘れるくらい何かに夢中になっていたり。愛しているけれど、「ママのものにはならない」っていうことをいつだって意識していたり。「楽しくて、幸せで、ちょっぴり切ない……宝物のような時間」が詰まっています。

たまには「愛している」と声に出しながら、息子の姿と重ねあわせ、その甘い気持ちを思いっきりかみしめてみるのはいかがでしょう? また明日から元気にやっていけそうです。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

ママの小さなたからもの

ママの小さなたからもの

出版社からの紹介

世界18カ国語に翻訳されたフランスの大ベストセラーを
辻仁成訳で贈る


ママの気持ちのすべてが詰まっている
《お母さんを幸せにする》絵本

子どもを育てるって、こんなにも楽しくて、大変で、切ない…!

――ママはずっと ぼくのことを好きでいてくれる?
――そうねえ、じゃあ、こっそり秘密をおしえてあげるわ、とママが言いました。 
からはじまるお母さんの言葉。

左ページ(良い子)と右ページ(悪い子)の、対のシチュエーションで、
“どんなときもあなたが大好き”と、
子どもを育てる楽しさを教えてくれるだけでなく、
"いつか自分の元を巣立つ"という男の子のお母さんならではの切ない感情 も綴られています。

子育てをしている、これからママになる、息子をもつすべてのお母さんへ贈る、
「お母さんを幸せにする絵本」です。

ベストレビュー

未来の息子との関係を夢見て

息子が生まれて生後2ヵ月目、朝も昼も晩もない日々。
わが子を育てることが、命を授かることがこれだけ大変だなんて、誰も教えてくれなかった。毎晩授乳が大変で、なんで泣いているのかもわからない、まだ自分がママだなんて言えること何一つできていないと思い、落ち込み、泣いてばかりいた時に、絵本ナビ編集長のエッセイでこの絵本に出会いました。

そこには、私の理想の母親像がありました。
私の愛しい、大切な息子。どんな時も私はあなたのママで、あなたを一番愛している。いろいろなシーンと共に繰り返すママからの息子へのラブレター。

授乳を終えて、授乳クッションの上ですやすや寝息をたてているわが子に優しく奏でるララバイのように、でもどちらかというと今の自分に言い聞かせるように、暗がりの中、泣きながら声に出して読んでいました。
ママはぼうやを愛しているわ。そう口に出すだけで優しい気持ちが胸いっぱいに広がりました。そして、ああ、私はママで、この子は私の息子なんだ、将来こんな未来が待っているんだと感情が溢れ出して、つらかった気持ちが一瞬で吹き飛びました。

大好きな成長した息子の幼い頃を思い出すのも、今現在進行形の反抗期の息子の本当は可愛いときを思い返すのも、きっと、人によって読み方はいろいろだと思います。私はまだ息子となんの思い出もないけれど、これから先待っている息子との未来を思い描く素敵な絵本となりました。

特に好きなところが最後のこの部分。
「ぼうやはママの愛する子供だけど、
でもね、ぼうやは決して
ママのものにならないって分かってる。」

将来、この絵本を年頃の息子が読んだらどんな風に感じてくれるんだろう?と想像して、これからたくさん思い出を一緒に作っていきたいなと思いました。
なによりも、新米ママとしてくじけていた自分を誰よりも勇気づけてくれた、私にとってはママのバイブル的な絵本です。
(マニールマニムンチョスさん 40代・ママ 男の子0歳)

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