さまざまな場面で量子力学を理論的に取り扱う手法について解説。 五つの章立てにより大学学部レベルの量子力学の集大成をめざしている。 実験との直接的な対応がつけやすい散乱理論、相対論を考慮した量子力学の理論としてDirac方程式、複数の粒子からなる系を扱う手法と相互作用の特質、電磁場を量子系として取り扱う手法と光放出・吸収現象の理解、具体的な事例として、原子の電子状態の記述、数学の重要な技法である群論を用いて、量子系の持つ対称性から導かれる普遍的な性質と対称性からみた量子力学への入門についてまとめている。 線形代数と初等解析学、古典力学と電磁気学の知識があれば誰でも読みこなせるように、丁寧に解説。
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