「ぞうさん」や「やぎさん ゆうびん」「ふしぎなポケット」など、今も子どもたちに歌い継がれる、まど・みちおさんの詩。 この絵本には、まどさんの詩が15篇、載っています。
童謡「くまさん」では、 冬眠から覚めたぼんやりしているくまさん。 「ええと ぼくは だれだっけ」 川の水にうつった顔見て思い出し、 「そうだ ぼくは くまだった よかったな」 かわいいようすに顔がほころびます。
でも、まどさんの詩は、かわいいだけではないのです。 「根」では、 草や木を栄えさせている肝心なところ、 根が外からは見えていないことを、 「こんなにして消えているのか 人間の視界からは いつも肝心かなめなものが」 と、うたっています。 深く考えさせられますよね。
まど・みちおさんの詩は、きっと、子どもたちが初めて出会うで詩ではないでしょうか。 優しく、広い心で人間を見つめ、104歳で亡くなるまで詩を書きつづけた、まどさん。 それに、いもとようこさんの、ほっとするあたたかいイラストが加わって、 ページをめくるスピードもゆっくりとなり、一篇一篇、心に染み入ってきます。
「つたえたい美しい日本の詩(こころ)」シリーズの一冊として出版された本作。同シリーズには、金子みすゞさんや工藤直子さんの詩絵本も名を連ねています。 子どもと一緒に、そして、時にはひとりで、じっくりと味わってみてはいかがでしょうか。
(絵本ナビ編集部)
童謡「ぞうさん」が広く親しまれているまど・みちおさん。あたたかみのある作品世界と、日本を代表する絵本作家の一人であるいもとようこさんの作品世界が軽やかなハーモニーを生み出した一冊。まど・みちを詩絵本の決定版!
まどみちおさんの詩を紹介するのにちょうどいいかなと、思いました。
表紙絵は「ぞうさん」ですが、この本が2月に出版されたからでしょうか。一番初めに紹介されているのは、春を感じさせてくれる「くまさん」です。
童謡になっている詩も多いので、子どもたちと一緒に歌いたくなります。
言葉は簡単だけど、哲学だなぁと、感心したのは「リンゴ」。
5,6歳くらいから小学校低学年くらいのお子さんたちと早口言葉で遊んでみたいと思ったのは、「バナナのじこしょうかい」。
詩の絵本なので、読み聞かせで使うときは、紹介したい子どもたちの年齢や集団に合わせて、1つか2つを選抜して、何度か口ずさむ、または一緒に声を出してもらうなどしたいなと思いました。 (てんぐざるさん 50代・ママ 女の子20歳)
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