少し休みたい方、お立ち寄りください。 〜〜時間がゆっくり流れるお店〜〜
<STORY> 就職活動がうまくいかず、気落ちしていた奈留美は、「働く人を探している」と聞いて谷中の小さな洋食屋を訪れた。その店「紅らんたん」は、厨房担当の男性と、自分の母よりもかなり年上に見えるがキリっと若々しい女性とが切り盛りしており、奈留美はアルバイトに入ることに。働き始めてみると、店の客は近くに住むお年寄りがほとんどで──。 名物ハヤシライスと美味しいコーヒー、マイペースなお客様たちに癒される、静かな物語。
<目次> 一 古い手紙 二 恋模様 三 夢枕に立つ人 四 母と娘 五 千佳さんの休日 六 怪我の功名 七 汚部屋の住人 八 ワトソンがんばる あとがき
装画:mokaffe
<著者メッセージ> この物語の主人公である奈留美は、大学を出たばかりの女性です。ちょっと不器用で、人付き合いが苦手なためか、卒業までに就職が決まらなかったのですが、ひょんなことから、紅らんたんでアルバイトをすることになりました。ところがこの紅らんたん、お店のお客さまは、多くが高齢者。そんなちょっぴりクセのあるお客さまたちを相手に、奈留美の奮闘が続きます。 登場人物中、唯一の若手である奈留美とともに、主役を張ったのは千佳さん。七十四歳です。奈留美は、先輩従業員である千佳さんと一緒に、紅らんたんのお客さまが引き起こすささやかな事件と関わっていくことになります。(中略)こんな老後も悪くないかもね、とゆるく物語を楽しみながら、奈留美の成長を見届けていただけたならば、これほど嬉しいことはありません。(あとがきより)
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