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幾つもの季節を共に過ごした男とりんごの木。 大きく立派なりんごの木は、誰からも愛され、持ち主の自慢でした。ある日、雷に打たれて2つに裂けたりんごの木は、もうたくさんの実をつけることもなくなり……。
つい最近伯父がなくなって数日たって、ふと年をとるということは悲しみを自分で引き受けていくことかもしれないと思いました。
身内の死、大切なものとの別れ、そんなことがやって来ます。若い時であれば、その悲しみは周りにいる大人が受け止めてくれた。
でも、年をとってだんだんと自分が年長者になっていくと、すべてを自分の身に引き受けることになります。
この絵本の場合は、大切にしていたりんごの木です。フーベルトはりんごの木を自分の分身のように感じていたのでしょう。
雷に当たって裂け目ができたとはいえ、打ち捨てることなどできなかったのです。
ひょっとしたフーベルトは、りんごの木に自分の命を移し替えていったのかも。ふとそんなことを思いました。
柔らかい美しい絵にフーベルトのその時々の気持ちが映し出されてるような気がしました。
高学年向けのリストの中で見つけました。静かですが、深く余韻の残る絵本です。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
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