許嫁への横恋慕が招く意想外な「殺し」の連鎖。栄次郎が下手人に迫る。
五年の逃亡から江戸に戻った清吉を襲う理不尽な悪夢。 最愛の許嫁はなんと……。 田宮流抜刀術の達人栄次郎は錯綜する事件の謎に挑む。
五年前に『守田屋』のおそめさんを巡って私の兄と諍い、誤って死なせて逃亡した。 おそめさんの許嫁・清吉さんが戻ってくるのを、父が仇をとろうと狙っています。父を「人殺し」にしないように清吉さんを護ってください──。 田宮流抜刀術の達人で三味線の名手・矢内栄次郎のもとを訪れた『江戸屋』の娘お糸が頼み込んだ。 窮地の清吉を護りつつ、栄次郎は事件の謎解きに挑む。
◆ 著者について 小杉健治 こすぎ・けんじ 「時代小説が書きたくて小説家を志した」と言う氏の面目を十二分に発揮した<栄次郎江戸暦>シリーズは、確実に大人の読者を魅了し、人気を不動のものにしている。 1983年『原島弁護士の処置』でオール讀物推理小説新人賞を受賞。 87年『絆』で推理作家協会賞、89年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。1947年、東京に生まれる。
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